表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界最強魔法が、“復活の呪文”なんだが!? ~ぺぺぺ……で終わる?異世界スローライフ~  作者: 延野正行
間章 異世界の夏編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/109

第55話 魔法使い、釣り竿を作る。

不定期とはいったが、更新しないとはいっていない。

 朝食を食べ終え、ぼくはガヴと一緒に屋敷を出る。

 すると、パーヤが七曜祭りで使ったサッサを片づけていた。


「パーヤ、そのサッサどうするの?」

「これですか? 決められた廃棄場所があって、そこに捨てる予定です」

「じゃあ、いらないんだね」

「はい。ご主人様……」

「悪いけど、捨てないで置いといてくれないかな」

「……? かしこまりました」


 畑へ行き、今日のノルマをこなす。

 摘み取った神豆をロダイルさんの販売所へもっていく。

 店の奥へ行くと、ロダイルさんが迎え入れてくれた。


 前と比べると、幾分顔の血色が良くなっているような気がする。

 どうやら商売は順調らしい。


「好調みたいですね」

「おおよ。お前のおかげだ、魔法使い」


 パンパンと肩を叩き、鰻登りのグラフを見せてくれた。

 青い箱船騎士ブルー・アーク・ナイトが専属契約した――というのは、ロダイルさんの営業活動によって瞬く間に広がった。

 それを聞いてた冒険者から、かなりの数の問い合わせがあったらしい。

 生産数に限りがあるため、今では予約待ちなのだそうだ。

 やり始めた頃から考えると、考えられないことだ。


「ところで、ロダイルさん。釣りってやります?」

「釣り? なんだ、それは?」

「え? 知らないですか? ほら、竿を使って魚を捕るんですよ」

「竿? 物干し竿なんかで魚を捕るのか?」


 首を傾げる。

 あれ? もしかして、エルドラドって『釣り』がないのか?


 聞けば、魚は手、もしくは銛、あるいは網を使って捕るのが、エルドラドでは一般的らしい。

 確かに網とかで捕る方が大量に取れるだろうけど、『釣り』をやらないというのはもったいないなあ。


 結構、ぼくは釣り好きだ。

 社会人になってからは時間がなくてやってなかったけど、学生の頃はよく近くの池や川、海にいって魚を釣っていた。


「おい。魔法使い」


 考え事をしているぼくの目に、ロダイルさんのどアップが映る。

 思わず椅子からひっくり返ってしまった。


「失礼なヤツだ」

「驚かない方が無理ありますよ」

「言ってくれるな。何か金の匂いがするアイディアでも思いついたか?」

「いえ。そこまでは……。ただちょっと余暇の過ごし方に、1つくわえようかなって思っただけです」


 ぼくはにこやかに笑うと、ロダイルさんは首を傾げた。




 家に帰ると、パーヤが残してくれたサッサを手に取る。


 名前のニュアンスと、七夕に似た七曜祭に使われていたから、サッサは笹だと思っていたのだけど、どちらかといえば竹に近い。


 特に幹の部分は、硬いし、粘りもある。

 祭りに使われているのは、細いものが多く、もちやすいからちょうどいい。


 もうわかってると思うけど、ぼくはこのサッサを使って、釣り竿を作ろうと考えていた。

 実は、昔おじいちゃんから作り方を習ったことがあるのだ。

 それをエルドラドで実践しようというわけ。


 まずはざっとナイフで枝を落とす。

 汚れを落とし、火であぶった。

 浮き出てきた油を拭き取ると、これだけで釣り竿ぽく見える。

 そこからさらに、枝を丁寧に落とす。

 また火であぶって、竿の曲がりを直していく。


 ただ曲がりが気になりすぎて、長時間火であぶるとたまに爆発してしまうのでご注意を。


 あとは、先端に糸をつけて完成だ。

 軽く振ってみる。

 ふぉっ、と懐かしい音が耳に入ってきた。


「パーパ! ごはん!」


 自室にガヴがやって来た。


 え? もうごはん。


 顔を上げると、窓の外は真っ暗だ。

 相当、集中してやっていたらしい。


 ぼくは作業を止め、食堂へ向かった。

 食事を食べながらも、ぼくの頭の中は釣りのことで一杯だ。


 あとは釣り針がほしいなあ。

 売ってないよなあ。

 自作で作るか。

 モンスターの牙とか使えないかな。

 歯の鋭いモンスターなら、案外そのまま流用できるかも。

 クレリアさんに頼んで、探してもらおうか。


 出来れば、ルアーも作りたいよね。

 いい素材ないかな。

 重りは揃えること出来るけど、アクションにこだわりたいよね。


 茶碗をもちながら考えていると、ふとパーヤとガヴの会話が耳に入った。


「ガヴさん、その木の実は外側が硬いですから、食べなくていいですよ」

「がう゛?」

「ガヴはなんでも食べちゃうからなあ。そのうち、椅子の脚とか食べたりして」

「クレリアさん、それは言い過ぎです」

「がう゛う゛う゛う゛」


 ガヴがポカポカとクレリアさんを叩く。


 楽しそうだ。


 けど、ぼくはそれに付き合わず、皿に乗った木の実を見つめた。

 ピスタチオみたいな木の実……。


「これだ!」


 思わず椅子から立ち上がった。




「次のお休みの日に、みんなで釣りに行こう」


 食事が終わって、居間でまったりしている家族に、ぼくは提案した。

 みんな「釣り?」って顔をしている。

 ぼくは簡単に説明した。


「面白そうじゃん!」

「それでは、わたしはお弁当を作ろうかしら」

「がう゛がう゛!」


 概ね納得してくれたらしい。


「そこでみんなには、ルアーを作ってほしいんだ」


 ぼくは今日食事で出てきた空の実を見せた。




 宇宙船を使い、ぼくたちはアリアハル近くの川へと向かった。


 最近、かなり暑くなってきたけど、水辺はひんやりとして気持ちがいい。

 川の音が涼やかだ。

 ぼくは早速、あらかじめ作っておいた全員分の釣り竿を取り出す。

 準備を始めた。


 その間はパーヤは敷物を敷いて、休憩場所を確保する。


「あれ? パーヤ。……クレリアさんとガヴは?」

「そういえば……。どこ行ったのかしら」


 しばらくすると、2人が木の陰から出てくる。

 現れた2人を見て、ぼくは思わず悲鳴を上げそうになった。


「み、水着!」


 そう! 2人とも水着姿だった。


 まずクレリアさんは、シックな大人の黒ビキニ。

 反則なのは、その表面積だ。

 乳房の本当に先端部分と、下腹部のところしか隠れていない。

 おへそも丸見えになっていて、くびれの部分もはっきり見える。

 紐も細くて、何かの弾みでほどけそうだ。


「どう? トモアキ」


 クレリアさんはしなを作り、その美脚とお尻をこちらに向ける。


 完全にむき出しになっていて、つるりとした美尻が陽の光を反射していた。

 お尻に浮かんだ汗が、またエロティックだ。


 ぼくは思わず呆然とする。

 顔が赤くなり、今にも鼻血が吹き出てきそうだった。


「ちょ、ちょっと! クレリアさん」

「なによ、パーヤ」


 パーヤに向かって正面を向く。

 思わず彼女も顔を赤くした。

 同性でもさすがに刺激が強いらしい。


「そ、その格好はご主人様には――」

「何よ、はっきり言いなさい。そもそもあんただって着てるでしょ」

「きゃあああああ!」


 クレリアさんはパーヤの着ていたワンピースを掴むと、力任せにはぎ取った。

 揺れるワンピースの中から、こちらも水着姿のパーヤが現れる。


 オーソドックスな白のビキニ。


 何の飾り気もない。

 しかし、それはもはや一種の兵器だった。


 ぼくはパーヤの胸に釘付けになる。

 本来であれば、乳房を隠すものであるはずなのに、パーヤの大きさの前では何の意味もなかった。クレリアさんのマイクロビキニと一緒だ。まるで隠れていない。今にも肩紐がほどけて、胸がミサイルみたいに発射されそうになっている。


「み、見ないでください」


 手で胸を隠して屈む。

 胸が寄って水着からこぼれそうになっていた。

 むしろ、そっちの体勢の方があざとい。


 あざといといえば、最後の1人の水着が一番あざとかった。


「がう゛がう゛!」


 2人の水着姿に圧倒されているぼくの袖を、ガブが引く。


 どう? という感じで、パーヤ並のターンを見せつけた。


 オーソドックスといえば、この水着ほどのものはないだろう。

 濃い群青色に、しっかりと秘所を隠した鉄壁の守り。


 しかし、そこに何故か「がう゛」と名前が書かれるだけで、男が燃え立つという不思議。いや、現代のオーパーツ!


 そう!


 ガヴはスクール水着だったのだ。


 ――って! なんでや!

 ここは異世界やろ!

 スクール水着はおかしいやろ!

 どこで売ってんねん!!


「どうどう、トモアキ」

「そ、そうですわ。ご主人様も殿方。……興奮するのはわかりますけど」

「あ。ああ……。ごめん。なんていうか。思わず取り乱して、地方の方言を使っちゃった」


 ともかく、落ち着こう。


「あ、あの……。ご主人様」

「ねぇ、トモアキ。なんか言うことあるんじゃないの」

「がう゛がう゛」

「あ……ええっと」


 ぼくは赤くなった頬を掻く。

 はにかみながら、彼女たちに本当の気持ちを伝えた。


「似合ってるよ、3人とも」

「ありがとうございます、ご主人様」

「えへへ……。ありがと、トモアキ」

「がーう゛! がーう゛!」


 3人とも、とても嬉しそうに微笑んだ。


釣り竿からのまさかの水着回なんて……。


釣りもいいけど、ゲーム(ネタ)しろよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作の飯ものを始めました! どうぞお召し上がり下さい↓
『ゼロスキルの料理番』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ