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異世界最強魔法が、“復活の呪文”なんだが!? ~ぺぺぺ……で終わる?異世界スローライフ~  作者: 延野正行
第5章 ゲーム機発見編

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第34話 魔法使い、謝罪する。

今時、珍しいぐらいベタなシーン。

 トモアキの屋敷にお客さんが訪れた。

 小さな体躯に、大きな鍔広の帽子を被った魔女ッ子コスの女の子(はたち)

 魔導書専門店の店主ルーイだ。


 どうみても、小学校高学年ぐらいの小さな女性。

 応対したのも、負けず劣らない小さな幼女だった。


「いらっ()ゃいませ」


 ペコリと頭を下げる少女の頭には、黄金色の獣耳がひょこひょこと動いていた。

 明らかにサイズが合っていないダボダボのメイド服を身に纏い、拙い言葉で歓迎の意を示す。


 ルーイは目を細める。


「あれ? ガヴ、お主だけか」

「パパ、いる。今、2階」

「うちの馬鹿妹――えっと、クレリアとパーヤは?」

「ぐれい、と……ばーや、いっしょ、いる」

「そう。ありがとう」


 説明してくれたガヴの頭を撫でる。

 随分、言葉を覚えたようだが、なかなか人の名前は発音しづらいらしい。

 わざとやってるってわけではあるまいな、とルーイは疑った。


「入っていいか?」

「どうぞ」


 ガヴに伴われ、ルーイは階段を上がる。


「ああん! あああっっ!!」


 その途中で、叫声が聞こえた。

 とても淫らな感じがした。


 ルーイさんはガヴを追い越して、声が聞こえた方へと向かう。

 男女の息づかいが、壁越しに聞こえてきた。


 ――まさか……。


 ドアに耳を当てる。


「ぱ、パーヤ! 声が大きいよ」

「だ、だってぇ~! こんな気持ちいいことはじめてなんですもの!」


 え!?

 えええええええ!!!??


 ――ちょっとちょっと! 真っ昼間から何やってんのよ!


 ルーイは時間を確認する。

 まだ昼の2時だ。

 陽は高く、屋敷の中にも光が入り、まだ明るい。


 とはいえ、ルーイは踏み込まない。

 顔を真っ赤にしながら、耳たぶが潰れるぐらいドアに顔を寄せる。


 それを見たガヴは何かの遊びと思ったのだろう。

 同じくドアに耳を寄せた。

 慌ててルーイはガヴを引き剥がす。

 頭の獣耳を伏せた。


「子供はダメなの?」

「こども?」


 ルーイを見ながら、ガヴは首を傾げる。

 なんか馬鹿にされたような気がした。


 そんな2人の心配を余所に、中はヒートアップしていく。


「あひぃ……。やんっ!! こえ……声でちゃいますぅ」

「気持ちいい?」

「は、はひぃ……。こんな気持ちいいこと……。覚えちゃったら毎日でもしたくなっちゃいますぅうう」

「ちょっと! パーヤ! 次はあたしの番よ!」


 ――な! まさか我が妹までいるのか。


 ルーイは激しく動揺する。

 妹はあれで15歳。

 すでに身体はできあがりつつある。

 自分でいうのもなんだが、ほぼ大人といって差し支えないだろう。

 その年で結婚し、初夜を迎えるものも少なくはない。


 けど――。

 妹に先を越されることは……。

 姉として、その――。


「……っんあンンン!!」

「あ。ごめん。痛かった……」

「だ、大丈夫だから……。続けてぇ。……トモアキぃ」

「クレリアさんは初めてなんだよね」


 ――やばいやばいやばい。

 妹の処女が今、トモアキに奪われようとしていた。

 いや、もう完結したかもしれない。

 大人の階段を昇ったのだ。

 妹は。

 姉を差し置いて――。


「優しく……。優しくしてね、トモアキぃ……」

「うん。ゆっくり動かすね」

「わかったよ。クレリアさん」



「待った! それ待ったぁぁあああ!!」



 我慢の限界だった。

 ルーイはとうとう部屋へ踏み込む。

 バンとドアを開け、片目をつぶりながら、もう片方の目で部屋を見つめる。


 ベッドの上には男女の姿。

 あられのない体勢で、組んずほぐれつ、よろしくやっている光景が目に浮かぶ。


 ――と思っていた。


「あれ?」


 ルーイは両目を開く。

 パチパチと瞬いた。


 ベッドの上には男女の姿。

 それは正解だったのだが、3人とも服を着ていた。


 クレリアがベッドの上に寝ころび、その上にトモアキが跨っていた。

 手を肩胛骨の下の辺りに置き、指圧をしている。


 ルーイの顔がさらに赤くなる。

 沸騰した蒸気のように湯気が立ちのぼった。


「あれ? お姉ちゃん」


 クレリアはルーイを見て、キョトンとする。

 何故か姉は「ふふふ……」と突然笑い始めた。


 ひとしきり――まるで悪役のように笑い続けた後、小さな魔女は言った。


「もちろん知ってたわよ。お約束ぐらいはね」


 唇を振るわせ、精一杯強がるのだった。



 ★



「そそそそそそそそそんなわけないじゃないですか!!」


 ぼくは思わず叫んだ。

 ルーイさんが踏み込んできた理由が、あまりに荒唐無稽すぎるというか、ちょっと想像がたくましいというか……ああ、つまりそのぉ、そういうことは一切なかったのだ。


 だいだい女性2人と真っ昼間に○○してたとか、ご近所やハイミルド、そのさらに外の世界に知られたら、(社会的な意味合いで)バンされるじゃないか。


 だが、振り返ってみると、確かに台詞の端々に誤解を生む要素があったかもしれない。


 ここははっきりと断言しておくべきだ。

 わかりやすく。目立つような形式を取るべきだろう。


 では、こほん!







「ええ……。相田トモアキは2人の女性をマッサージしていただけです。何もやましいことは行っておりません。……ただ表現に誤解があったことだけは、謝罪させていただきます。申し訳ありませんでした」







 よし!

 これぐらい目立つ感じで書いておけば大丈夫だろう。

 後でどこかにフォローをいれておけば、なお完璧だ。


「ご主人様、どなたに謝っているのですか?」

「どなたって、ルーイさんだけど」

「ルーイさんは後ろですよ」

「わあぁ。ごめんなさい」


 ちっちゃくて見えなかった。


 すると、ルーイさんは杖でぼくの頭をコテッと叩く。


「あ、謝ったじゃないですか?」

「本音が駄々漏れなのじゃ、お主は。全くお主と言い。馬鹿妹といい」


 ちなみにクレリアさんは、ぼくのベッドでずっと笑い転げていた。


「むはははは……! 勘違いしてやんの! どうやったら、マッサージとセ――」

「やかましい馬鹿妹め! そもそもややこしいことをしておるお主たちが悪いのじゃ」

「仕方ないでしょ、お昼まで作業だったんだから」

「作業?」


 ルーイさんは眉を顰めた。

 パーヤが説明する。


「農作業ですわ、ルーイ様」

「農作業……。ああ、神豆とかいう豆を育ててると聞いたが」

「え? もう噂になってるんですか」

女将(ルバイ)から聞いたんじゃ」


 安宿『キリン』の女将であるルバイさんは、宿屋経営が長いだけあって、顔が広い。豆を育てるためには人手がいるので、農業関係のジョブを持つ人間を探してもらっている。


 でも、あの人、結構お喋りだよねぇ。

 今度からは気を付けないと。


「ということは、お主ら今、金がほしいのではないか??」

「ま、まあ……」


 ガラスハウスの問題は一応決着はついたけど、他にも揃えなければならない道具や、栽培が始まれば雇った人の給金も払わなければならない。

 最初の月は売上も振るわないだろうから、ある程度資金に余裕を持たせなければ、あっという間にショートする可能性がある。


 稼げるなら、いくらでも稼ぎたいところだ。


 ルーイさんは歯を見せて笑う。

 まるで悪戯小僧が悪さを思いついたような顔だった。


「どうだ? お主。ダンジョンで一稼ぎせんか」

「だ、ダンジョン!」


 ダンジョンってあれ?

 迷宮に入って、宝箱を探す的な?

 うーん。どうしよう。

 響きとしてはそそられるけど、危ないんじゃないかな。


「ルーイ姉、ここらへんのダンジョンは探索されまくってるだろ?」


 妹の質問に、チッチッチッとルーイさんは指を振った。


「それが新しいダンジョンが発見されたらしい。しかも、この情報はできたてホヤホヤだ。まだ誰も手を付けていない可能性がある」

「でも、ダンジョンと言うからには、街の外ですよね。ぼくは街からあまり――」

「出たくないと言うのであろう。物臭なお主なら、そういうであろうと思っておったわ」


 クツクツとルーイさんは笑う。


「心配するな。ダンジョンはアリアハルの街の中にある」

「「「ええ??」」」


 ぼくたちは同時に驚いた。

 ガヴだけ意味が分からず、指をくわえながら尻尾を振っている。


「驚くのも無理はない。まさか街にダンジョンがあるなど、誰も想像してなかったからな。どうじゃ、トモアキ! 1つダンジョンに潜ってみんか!? 一緒にお宝を発掘しようではないか?」


 ルーイさんの強い押しに、ぼくは押し切られた。


「わかりました。行きましょう」


 本音を言うとめんどくさい。

 農作業をやったばかりだから、ベッドの上でゴロゴロしていたかった。


 でも、ちょっとぼくはワクワクしている。

 異世界でダンジョン探索。

 ベタだけど、やってみる価値はありそうだ。


色々と誤解を与えてすいませんでした。

反省しておりますm(_ _)m


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『ゼロスキルの料理番』
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