プロローグ
「なぁミツヒロ、女騎士っていいよな?」
「ああ、クニヒロ。いいよな女騎士って」
「金髪碧眼で鎧着ててその鎧のうえからでもわかるくらいおっぱいおおきいと最高だよな」
「くっ殺って言われてみてぇな」
「ゴブリンになったらそりゃあ一度は言われてみてぇな」
「くっころといえばオークが言われるのが有名だけど俺達ゴブリンでも行けるよな」
「それでよー捕まえてくっころ言われたら実際どうするよ?」
「そりゃーまず……おっぱい揉むかな?」
「まぁそうだよな。取り敢えずそこはももう勝者の特権だよな。生かすも殺すもこっち次第な状況だからまぁ取り敢えず、揉むよな」
「まぁ基本だよな」
「でもよ」
「ん?」
「そのあとどうするよ?」
「どうするってそりゃ……やっちまうんじゃねぇの?」
「まぁ流れでいけばそうなるよな」
「流れでいけばな」
「でも問題はそこなんだよ……おまえ童貞だろ?」
「……まぁそうだけどそれは皆だろ?うち男子校だったしモテる奴はこの世界来てないし」
「問題なのは初めてがそんな無理やりでいいのかってことだよ」
「……まぁ確かにな。でも俺らゴブリンだぜ? しかも男子高校生の性欲持て余したハイブリットエロゴブリンだぜ? 実際目の前に女いたらやっぱやっちまうんじゃね?」
「でもよー本気で嫌がってる姿見たら萎えるぜ? 少なくとも俺は萎えるな。それにやっぱ最初は好きな人としたいじゃん。できれば人間に戻って人間の女と」
「確かにな」
「そりゃムリヤリが興奮するってやつもいるだろうけど結局俺達童貞には無理矢理ってのはハードルが高い。そこでだ」
「そこで?」
「まず女騎士にくっ殺言われてもちゃんと紳士的に接する」
「ほう、紳士的に」
「それでなんとか仲良くなるその後付き合ってふつうにやる」
「それも滅茶苦茶ハードル高いな」
「まぁそこはこっちがまず敵じゃないってわからせるとこから始めて地道に好感度上げていくしかないな」
「捕まえてくっころ言われた後にか」
「難しいかな?」
「少なくとも普通の女とも仲良くなる方法分からないのにマイナスの関係から仲良くなるのは無理があるぞ。俺達好感度の上げ方も知らないのに」
「たしかに」
「少なくとも最初から紳士的に接するしかないよ」
「そうだな、たしかに……しかし、そうなったらくっ殺は諦めるしかないのか? 夢のくっ殺だぞ?」
「まぁ人の夢と書いて儚いと書くし……俺達人じゃなくてゴブリンだけど」
「くっ殺は諦めるしかないのか……」
そこで不意に遠くから声がした。
「おーい今日スゲーの捕まえたよ!」
「おう!よっしー何捕まえた?今日の昼飯は何だ?」
今日の狩役のよっしーが捕った得物を担いでやって来た。
「おい……よっしーどうしたよそれ?」
「それもしかして……」
「イノシシ用の罠にかかってたから縛って連れてきたよ。ほら女騎士」
「仲間たちと大勢で私を犯す気だな!! くっ!!いっそのこと殺せ!!」
「「よっしー今すぐ返してきなさい」」
人の夢は儚い。しかし、ゴブリンの夢は意外と簡単に叶うようだった。