プロローグ
【決め台詞】
これを聞いて人はどう感じるだろう?
盛り上がる言葉?物語になくてはならないもの?
ワクワクするような何かに、悪い感情を持つ人は少ないのではないだろうか。
何故こんなことを考えるかというと、残念ながら私がその少数に入っているからだ。
でも勘違いしないでほしい。
なにも私は「恰好つけが!!」などと悪態をつきたいわけではないし、「偽善ぶりやがって!!」と正義を否定したい訳でもない。だって主人公、悪役、関係ないもの。
そう、私はなんで苦手なのか自分でもわからないのだ。
本を読んではいい場面を読み飛ばし、映像を観てはクライマックスで耳を塞ぐ。
そんな変な子供だった。
両親が言うにはまだ歩き始めたばかりの頃から幼児向けアニメで泣きそうになっていたらしいので筋金入りなのだろう。
恰好いいと思う心もあるのだが、その言葉を耳にすると黒板を引っ掻く音を聞くような、どうにもぞわぞわした心地がするのだ。
今はそんな私を面白いと感じたり受け入れてくれる心の広い友人がいるが、大多数に共感できないというのはそれなりに苦労もしたものだった。
だからいつも考えてしまう、この苦手意識はいったい何処からきたのだろうと。
現在15歳を迎えた私は今日も友人から借りたDVDを指の隙間から観ていたのだが、突然の画面のフラッシュに案外あっさりと理由を知ることになる。