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任務1.誰何

 第二の人生を夜の牧場から出発した。

そこには寝ている牛や羊がいた。

時々番犬らしき大型犬にも追い掛けられたりもした、楽しみながら新しい世界の大地を踏んでいった。



どうやらこの世界と前の世界では生きている生物は一緒のようだ。


ただ、小屋等の建築物はあるが人はまだ一度も見ていない。

まぁ、ここは牧場だし、現在時2330深夜の時間帯であるから、番犬が騒いでも熟睡しているなら主も出てこない、






 そんな事を考え歩いていると墓場に着いた。

現在時0305 辺りはまだ暗く、腕捲りした迷彩服では肌寒い、息も白い…

中をゆっくりと歩いているとランタンの光が見えてきた。

この時間なら墓荒らしの可能性が高い。

転生後初めての任務が墓荒らしの捕獲になるとは、

彼本人も思ってはいなかった。

 


 リドは対象から十分な距離をとり、ゆっくりバックを下ろし、捕獲の為89式小銃に着剣したそして弾を込めた。

 ゆっくりと後ろを取り、降参させるだけ。

リドにとってはたった2ヶ月前までは地獄の教育を受けた身、容易なはずである。

だが、この世界に来たのは伏兵がいたから。

墓荒らしもだって一人が掘りもう一人が監視につくはず……




 取り敢えず赤外線ゴーグルで敵を観察した。

光源からは凄い量の赤外線が放出されており、墓荒らしの詳細なシルエットは見ることができない。

ただわかったことは人が馬にまたがっている。

馬は四本の脚を折りその背に主人らしき人が静かに祈りを捧げている。

スコップ等の掘り返す為の道具も見当たらない。

人の周囲も見たが誰もいない。


どうやら一人きりのようだ。

 


 どうやら墓荒らしではなく墓参りに来たらしい。

しかし、何故こんな夜中に……………




 リドは墓参りを捕まえる感情はきえた。

そして新たに好奇心が湧いた。

こんな時間帯に、

馬から下りずに、

たった一人で、

墓参りにくるのだろうか…………



 


 リドは行動を開始した。

墓石に身を隠しながらゆっくりと近づき、その人の容姿を確認した。


 確認したとき、セラフィムが言った「異なる世界」

の意味を理解してしまった。

祈りを捧げているのは、人では無かった。

確かに人の部分はあるが、下半身が馬の首の部分とくっついている。

髪はブラウンで胸まであり、服装は白を主体としたスカートであった。

馬の部位は髪の色と同じ毛が生えており、綺麗なサラブレッドである。

ちなみに馬の部位にもスカートがあり、清楚な雰囲気を出していた。

 


 その彼女を見たリドは衝撃のあまり安全装置を解除してしまった。

しかし、その金属音で彼女も彼の存在に気付いた。


 ???「誰!?」

そう言いながら、ランタンを手にこちらを探してきた。

リドも馬鹿ではない。

慌てている敵の後ろから銃を突き付け、ドスの効いた大声で誰何した。

 



 リド「動くな!!!!手を頭の後ろで組み、膝を曲げな」

 

 そう言いさらに銃剣を首の横に近付けた。。

そして体から大量の汗を放出しなが震えた声でこちらに話しかけてきた。

 


 ???「待ってください……もう彼の墓には近付きません。………だから…い、命だけは……………」


 リド「名前はなんだ?」


 ヘルガ「わ、私はヘルガと言います。貴方は?」



そう言いながらこちらにゆっくりと顔を向けた。

二重で北米の人種のような顔立ちであり、美女と言ってもいいだろう。

ただ、その美しい顔も汗をかいていた。



 そして彼は銃を下ろしながら距離をとり名乗った。


 リド「俺は元レンジャー部隊リド、日本からきた。

いきなり銃口を向けてすまなかった。

何せいきなりこの世界に飛ばされたもんで誰が味方か敵か全くわからないもんで……」


 ヘルガ「……わかりました、

貴方は私を殺しに来たのでは無いのですね。」



 

 呼吸も落ち着き、汗も引いてきている。

どうやら安心したらしい。

彼女は話し出した。



 ヘルガ「貴方が言っていた日本と言う国は侍がいると聞きましたが、貴方は侍ですか?」


 

 リド「いや、俺は侍ではなく自衛隊だ。主ではなく国、国民を守るの、主な任務は首都防衛で、君たちで言う憲兵や近衛兵に近い。」


 ヘルガ「…そうなんですか。

リドさんは私がどの種族だかわかりますか?


 リド「確か………ケンタウルスだろう?」


 ヘルガ「そうです、この地域で彼以外で話しかけてきた人間は貴方だけですよ。

怖く無いのですか?」


 リド「そりゃ怖かった。

だから後ろから武器を近付けた。

だが、君は驚異も敵意も何もない、俺からしたら一般人と同じだ。

まぁ、下半身がちょっとばかり違うが……」


 ???「誰かそこにいるな!!!!!!」

 ???「またあのケンタウルスの女だな、串刺しにしてやる!!!!!!」



 ヘルガと話していた時に多数の松明が照らしながらこちらに近付いてきたのがわかった。

どうやら相当興奮しており、殺意に満ちている声が聞こえ近付いてきた。

さっきの彼女の言動からこのままでは確実に殺されてしまう。

無関係である俺も一緒にいるという理由で殺されてしまうようだ

弾倉を込め、照門を300mに設定している時。



 

 ヘルガ「早くこっちへ!!!」


 リド「お、おう?何処に行くんだ?」


 ヘルガ「いいから早く!!!!死にたいの?」




 彼女の緊迫した表情からこの場にいては不味いのがさらに理解した。

仕方無い、ヘルガについていき逃げることにした。





 

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