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レイアと創太 ①


これはどういう事?



目の前に、俺の恋人加奈ちゃんがいる。なんで?どうして?しかも、ゴスロリ衣装で!加奈ちゃんはなに着ても似合うなぁ、かわいいぜ!

って言ってる場合じゃない。状況が理解できず、口をパクパクさせていると、加奈ちゃんが目をうるませて飛びついてきた。

「創太くん!創太くん!創太くん!会いたかったよぉ〜うわぁあああん。」

加奈ちゃんは俺に 抱きついて泣き出した。加奈ちゃんだ間違いない、この声、この顔、本当に俺の恋人の加奈ちゃんだ。

「か、加奈ちゃん・・・本当に加奈ちゃんだ。会いたかった・・・会いたかった。」

俺も彼女を抱きしめた、自然に涙がこぼれてくる。こんなところで会えるなんて・・・てちょっとまてよ、加奈ちゃんがここにいるって事は・・・俺は、加奈ちゃんに聞いてみた。

「あ、あのさ加奈ちゃん。ここにいるって事は、まさか・・・」

「うん!わたしも死んじゃったの。えへへへ。」

えへへへ、って・・・ちくしょう、死んでもカワイイなぁ。

「死んじゃったって・・・な、何で・・・?」

「わたしも、よくわからないんだけどぉ〜寝て起きたら〜フラウちゃんがいて、オデコを扇子でパシパシ叩かれて、ここにいるの。」

よくわからん・・・そういや加奈ちゃんの額が赤くなってる。しかし、寝て起きたらここに居てたって・・・話はしょりすぎだろ。

お互い顔を見合わせて、笑いあっている。俺は半分苦笑いだけどな。そしたら、頭に痛みが走った。レイアの姉さんが、扇子で叩いてきた。

俺は、脳天に1発だったけど、加奈ちゃんは額にくらってた。しかも2発。そして、俺達の間にわりこんできた。

「ちょっと、いいかげんにしてくださる?」

レイアのお姉さんは、腕組をして怒っている。

「感動の再会をさせるために、ここに来たんじゃありません事よ。今日は、レイアランドの協力者を拝見に来ただけですわ。」

「え〜そんなぁ〜フラウちゃん・・・創太くんに会わせてあげるって言ったじゃ・・・」

加奈ちゃんが言い終わるのを待たずに、彼女のオデコに扇子がヒットした。お姉さん、俺の彼女に酷いことしないで。

「おだまり!それはあなたが、わたくしとの契約を果たした時でしょう。まだ何もなさってないのに、願いだけ叶えるわけございませんでしょう。」

「それは、そうだけど・・・」

加奈ちゃんはうつむいて、悲しそうな顔をしている。

「とにかく、契約が果たした後なら何をなさってもいいですわ。そこのガッカリさんと抱き合うなり、交尾するなりね。」

こ、交尾って・・・俺らは犬猫ですか。赤面する俺達を無視して、お姉さんはレイアの方に目を向けた。

「レイアレンド、今日はここまでにしておきますわ。言っておきますけど、魔王になるのはわたくしですから。あなたには魔王になるだけの、器量も魔力も無い事を自覚しておきなさいな。」

「けっ!器量も魔力も無いのはお互い様だろうが。ついでに、あんたにゃ品も無いけどな。」

レイアが、不敵に笑ってお姉さんを挑発している。そういやこいついたな、ゴメン忘れてた。

「ふん!まったく口の減らない子ですこと。そんな安い挑発には乗りませんわ、それではわたくし達はこれで失礼いたします。いくわよ、加奈。」

お姉さんは、加奈ちゃんの腕を掴んで飛び去って行く。

「創太くーん、またね〜」

「うん、またね〜」

消えそうになる加奈ちゃんの声に、俺は大声で答えた。2人が飛んでいった方を、見えなくなっても眺めていた。

だけど、いつでもこうしてる訳にはいかない。レイアに聞きたいことが山ほどある。

「レイア、これはどういう事なんだ?なんで、加奈ちゃんがお前の姉さんと一緒にいるんだ。」

「お前と同じだよ、あの子も協力者なんだよ。だけど、フラウロスの野郎・・・無茶しやかって・・・」

「無茶?無茶ってなんだよ。」

レイアは、あごに指をあてて真剣な顔をしている。何かを躊躇っている様な気がした。

「ん・・・あくまでもわたしの推測だけど。あの子は、死ぬ予定じゃ無かったと思うぞ。」

「おい、それはどういう事だよ!」

俺は、レイアに食って掛かった。

「おそらく、フラウロスの協力者にあの子が1番いいんだろう。わたしと、お前の様にな。」

「じゃあ、レイアの姉さんが加奈ちゃんを殺したのか?」

「違うと思う。あの子は、こんなに早く死ぬ予定じゃない。ここが問題なんだよ。」

ん?訳がわからん。死ぬ予定じゃないのに死んだ?俺の頭の中が『?』で一杯になっている。そして、レイアは話し続ける。

「人間の魂ってのは、不安定になる時があるんだ。ものすごいショックを受けた時や、死んでしまいたいと思った時にな。そんな状態の時にきっかけを与えれば、肉体から魂が離れて死んでしまうって訳さ。」

「それじゃ、加奈ちゃんは・・・」

「ああ、おそらくお前が死んでしまった事でショックを受けたんだろうな。それをチャンスと思ったフラウロスは、細工をして彼女をこっちの世界に引き込んだんだ。あの野郎・・・そこまでして魔王になりたいのかよ。」

怒りが沸いてきた、後継者争いの為にそこまでするのかよ。悪魔らしいぜ・・・

「悪魔ってのは、自分の為なら何でもするのかよ・・・」

俺は、吐き捨てる様にレイアを睨みつけた。

「ああ、悪魔だからな。」

「てめえ!」

レイアのむなぐらを掴み、拳を振り上げた。殴ってやりたい、だけど、悪魔と言っても相手は女の子だ・・・女は殴れない。

「なんだよ、殴らねぇのかよ。」

「う、うるせー!」

震える拳を下ろし、俺はレイアに背を向けた。

「言っておくぞ、たしかにわたし達は悪魔だ。だけどな、悪魔には悪魔のルールってもんがある。自分の目的の為に、何をやっても許されるって訳じゃないんだ。フラウロスはそれを破りやがった、わたしはそれが許せない!」

レイアの声が、怒りに震えている。そっか、悪魔にもルールってもんがあるんだな・・・ちょっと安心したぜ。

「あんなんでも、わたしの姉貴なんだ・・・わたしが頭を下げる筋合いじゃないけど、謝らせてくれ。」

レイアが、頭を下げている。そんな事されたら、許さない訳にはいかないだろう。

「い、いいよ・・・俺も熱くなっちまったよ。それに、頭を下げさせるのは、レイアの姉さんだ。レイアの姉さんが、加奈ちゃんに頭を下げるべきなんだ。」

「う、うん・・・だな。」

少し照れた顔をしたレイアを見て、ちょっとドキっとした。こういう表情すると、マジでかわいいなこいつ。

「そしたら、なにがなんでもレイアに魔王に成ってもらわないとな!そんで、お前の姉さんから加奈ちゃんに謝罪させる。」

「それは、わたしが魔王に成るより難しいぞ。」

「ははは、確かにな。」



俺達は、顔を見合わせて笑った。俺の使命が1つ増えた、レイアを魔王にして俺が生き返ること。フラウロスって言うレイアの姉さんに、加奈ちゃんにした事を謝らせる。そして加奈ちゃんと一緒に生き返るんだ!





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