ゾンビ Lv2
「せんしはぞんびになった!」
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《名前》「ベス(魔王の僕見習い)」
《種族》「ゾンビ」
《Lv》「1」
《HP》「15/15」
《スキル》
「不死属性/屍肉」:アンデッドモンスターに付与される特異体質。HP以上のダメージを受けた場合、昏倒にならず、身体損傷の判定を行う必要がある。このスキルの所持者が、完全損傷となった場合のリアクションについては別途マニュアルを参照。
「オーバーワーク」:神経が正常に機能していないが故に限界を越えた身体能力を発揮できる行動スキル。あらゆる場面でこれを行使できその場合、六面ダイスをひとつ増やせる。但し当然身体への過負荷が伴う為、後に身体損傷の判定を行う必要あり。
「死臭」:死後一週間以上経過した肉体に宿る異常体質。尾行、不意打ちが判定に漏れなく-90のペナルティ。攻撃スキルとして行使する場合、死後経過日数+六面ダイスで判定。
《所持品》
「ジャイアントコボルトの手斧」:巨大な手斧で扱いが難しい。六面ダイス×2。攻撃命中率-5。
「うむ。貴様にはまず愛称を与えようぞな」
「何故?」
「このダンジョンには他にもゾンビがおる。区別する為にも呼び名がなければ不便だろう。また慣れない職場環境に馴染むための秘訣。それが愛称。親しみのある名で呼び合えば自然と距離も縮まる。なあベス」
「誰だよそれ」
「おまえの愛称だ。ベスよろしく頼む」
「うぐ。ちなみにあんたは何て呼べばいいんだ」
「魔王様と」
「早くも職場環境に不満を覚えてきたぞ」
「ベス」
「俺は返事しないからな」
「ベスベス」
「返事はしねえ」
「ベスベスベスベスベスベスベスベスベスベスベスベスベスベスベス」
「………………………………………………………………………………」
「『返事がないただの屍のようだ』」
「おまえ、それが言いたかっただけだろ」
「ぷーっくすくすくす。それが何か?」
「ああもう。めんどくさい奴」
「ベスよ。早速だが貴様には任務を与えようぞな」
「あん?」
「先ほども言ったが貴様を手下にしたのは人員補充の為。おまえが台無しにした罠とモンスターたちの代わりをさせる為じゃ」
「具体的にどうすればいいんだよ」
「貴様にはまずこのダンジョンの警備を命ずるぞな」
「それめんどうくさそう」
「断るのかぞな」
「それよりもさっきの続きをしようぜ。お前が勝ったら引き受けてもいいぜ。俺が勝ったらその首をもらうから」
「構わんが勝敗は三秒でつくぞな。私が貴様にかけた術を解き、貴様はただの屍になる。それで終わりだ」
「ちっ詰まらねえの」
「先程誓った忠誠はどこへいった。暴れたければ七階へ行け。ちょうど今も貴様のような不届き者がおるぞな」
「同業者か」
「そうぞな。七階までこれるならそこそこの手練だろう」
「しょうがねえ。行ってくるか。そっちの方が面白そうだしな」
「あの階は罠が多い。気をつけろぞな」
「安心しろ俺が壊しまくってるから」
「うぐっ・・・・・・丹誠込めた自信作たちを。もういい。さっさと行くがいいぞな。お前と話していると腹が立ってくるぞな」
「へーい」
「むう、とりあえずあやつお手並み拝見と行くぞな」