死霊魔導師(禁じられた遊び アサガオ) Lv51
「まおうがあらわれた!」
■■■■■■■■■■■■■■
《名前》「アサガオ(禁じられた遊び)」
《職業》「死霊魔導師」
《Lv》「51」
《HP》「25/25」
《スキル》
「生ける屍/死霊魔術」:死者を従順なゾンビにすることができる。但しゾンビは生前の記憶を持たず、またその能力も半減する。色褪せた瞳。創造したアンデッドモンスターの視覚を共有することができる。
「百鬼夜行/死霊魔術」:ネクロノミコン所有者限定呪文。過去に多くの死者がでた土地であれば、一度に十二面ダイスを五回振った合計のアンデッドモンスターを大量作成することができる。種類についてはゾンビ、レイス、スケルトン、グールよりダイスの達成度で決定する。
《所持品》
ネクロノミコン。白亜教会が厳重管理の元、所蔵していた古代魔術時代級の魔導書。以下、識別済み能力。死霊魔術+9(所有者付与)。
「なんだあれ。なんなんだあれ。なんなんだぞな。すごい玩具が手には入ったぞな。
ゾンビにしては強すぎるとは思ったのだ。
私は基本的な動死者化の術を施しただけで、アレンジは一切加えておらん。だから素体が、歴戦の戦士だろうが偉大なる魔導師だろうが出来上がるのは魂がないただの木偶人形。後付けでのせる怨霊は所詮、生命への飢えという原動力で動くだけで、戦闘技術など皆無のはずだぞな。
……そうだぞな。違和感は防腐剤の小瓶だぞな。私は言ったはずだ。あれを「飲め」と。本来、創造主の命令は絶対服従。どんな内容だろうが結果の可能不可能に問わずただただ忠実に実行するはずなのだぞな。
だが結局あいつは飲まずに腐敗が進行した。口に合わなかったのか、毒だと警戒したのかは知らない。問題は、奴がそう思考したという事ぞな。
すごい。すごいぞな。やつには確かに生前の記憶がある。魂がある。確固とした自由意志が存在する。
そしてやつが次にやらかしたあれは何だ。ゾンビからスケルトンへの転化だと。
いや私にも方法がないわけじゃない。だが手間、時間、コスト、どれをとっても不効率な上に、成果を得るのは至難ぞな。それをあんな原始的で、強引で、ある意味理にかなった方法で実践するとは。私のネクロノミコンだって知らなかった。
いやだが待て。冷静になろう。果たして奴と、同じやり方で他のゾンビからスケルトンを量産することはできるか。否。不可能ぞな。
やはり鍵はやつにあると見て間違いない。もっともっと観察を続ける必要がある。素晴らしい。素晴らしいぞな」
『……ママァ』
「ん。どうしたんだぞな?」
私はネクロノミコンにそっと手を伸ばす。
黒い皮張りの装丁、静かに脈打つそれを優しく撫でてやる。
震えてる。
彼女は可哀そうなくらいに怖がっている。
『キタノ』
「ああ教会の連中ぞなね。ここのところひっきりなしぞな」
『コワイ、ノ、ヤァダ』
「大丈夫。お前を連中の手に渡すような真似は、私が絶対にさせはしないぞな」