朝
あの日の朝、
君はそこにいた
あの日の朝、
街はそこにあった
あの日の朝、
時はそこでとまった
日常と云うものと
現実と云うものと
曖昧な線引きの中で
何も知らない夢に
ただ
まどろんでいたのだとして
誰が
拾い上げられた
誰が
掬い上げられた
何もかも
ありったけ総て
この小さな手に
集めることができたなら、
あの日の朝は、
今もそこにあるのだろうか
叶うことのない
祈りのような囁きの中で、
また
朝がやってくる
あの日の朝ではない、
あの日の朝にはなれない、
朝がやってくる