File 07.まさかっ!?
小ネタ入れてみました。
次の日の朝、鳴海は見覚えの無い部屋のベッドの上で目を覚ました。
隣には、理奈が眠っている。
「そうだ、北海道に来てたんだ・・・」
鳴海は思い出したかの様に呟くと、起き上がってベッドから出た。
「あっ!」
鳴海は自分が真っ裸である事に気が付くと、
(まっ、まさかっ!?)
と、恐る恐る理奈の掛け布団を持ち上げた。
すると、案の定、理奈の真っ裸な姿が現れた。
ゴソ──理奈は寝返りを打った。
(やばっ、目覚ましたか?)
鳴海はその場に佇み、数秒程やり過ごした。
(ふぅ・・・にしても、何で俺裸なんだ?全く記憶が無ぇ・・・)
と、その時、いつの間にか目を覚ましていた理奈が、鳴海に声を掛けた。
「何時までまっぱでいるつもりですか?」
その問いに、鳴海は驚いた。
「ううぉおわぁっ!
違うんだこれは!気が付いたらその!って言うかお前もその格好!」
鳴海は理奈の裸を見ない様、慌てて両手で顔を隠した。指の間から片目だけ覗かせて。
クスクス──理奈は笑うとこう言った。
「氷鉋さんも男ですね。そんなに見たければ手退かして堂々と見れば良いじゃないですか。私は別に気にしませんから」
この時、鳴海は思った。
こいつバカか?──と。
「さ、服着て行きましょう」
「えっ、何処に?」
「決まってるでしょ?警察署ですよ」
理奈はそう言うと、タンスから服を出すと、着衣を始めた。
鳴海はその様子を、頬を赤くしてボーッと見ていた。
「氷鉋さん、頬赤くして、何ーッとなさっているんですか?」
鳴海はその問いで我に返ると、慌てて側にあった服を着た。
男に聞こう。
真っ裸が何だっ!?産まれたままの姿見て何が嬉しいっ!?答えは聞かないけど!
あ、俺?俺はどうも思わん。だって人間、産まれた時は皆裸だろ。
そんなの見たって嬉しく無いし。