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File 06.あいつと再会、成瀬川旅館

 タクシー乗り場に来た鳴海は、タクシーを探した。

(まだ来てねえか)

 と、乗り場の椅子に腰を掛ける鳴海。

 すると、丁度そこに、タクシーが一台、やって来た。

 タクシーは鳴海の前で止まると、ドアを開けた。

 鳴海はそのタクシーに乗り込んだ。

「お客さん、どちらまで?」

 と、訊ねる運転手。

 鳴海は、旅館のパンフレットを出して開き、運転手に示した。

「此処お願いします」

「はい、了解」

 と、運転手はタクシーを発車させた。

 それから数十分経った頃、鳴海を乗せたタクシーはある旅館に到着した。

 表の看板には、成瀬川旅館と書いてある。

 鳴海は空港から旅館までの料金を払い、タクシーを降りてその旅館に入館した。

「すいません、部屋を一室借りたいんですが?」

 鳴海は、入り口の側にある受け付けの女性従業員にそう言った。

「お部屋ですね?したっけこちらにお名前と住所の記入をして欲しいっしょ」

 従業員はそう言って、記入用紙とボールペンを出して置いた。

 鳴海は、前に出された用紙に名前と住所を書き記した。

「したっけ、お部屋に案内するからさ、少々お待ち欲しいっしょ」

 従業員は用紙とペンを回収するとそう言い残して奥の方へ去って行った。

 その直後、

「理奈、お客様をお部屋にお連れして?」

 と、先程の従業員の声が聞こえて来たかと思うと、直ぐに戻って来た。

 それと同時に、受け付け横のStaff onlyと書かれた扉から、事件現場で会った少女が出て来た。

「こち・・・っ!」

 鳴海の姿を見た少女は驚いた。

「氷鉋さんじゃないですか!」

「そう言うあんたは・・・誰?」

「あら、私の事お忘れになられたんですか?」

 少女はそう言うと、髪を素早く三つ編みにし、眼鏡を掛けた。

「私です、成瀬川 理奈です」

「ぬぁっ!?」

 鳴海は驚き、硬直した。

「何アンタ達、知り合い?」

 そう訊ねたのは、やはり従業員だった。

 理奈は従業員に、

「予備校で一緒のクラスだった」

「えっ、じゃあこの人がアンタの話してた人?」

「うん」

 と、理奈は首を縦に振った。

「そんじゃしたっけ、理奈のお部屋に泊まって貰ったら?お友達からじぇんこ取るのも何か悪いし」

「わ、私の部屋にっ!?」

「そうだべ」

 従業員はそう言うと鳴海に聞いた。

「君もそれで良いね?」

「俺は別に、泊まれれば、部屋は何処でも」

「うん、決まりだべ。理奈、部屋に案内してあげな」

「わ、分かったわ」

 理奈はそう言って、頬を赤らめた。

 こうして鳴海は、理奈の部屋に泊まる事になった。


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