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File 05.北海道

 明くる日、鳴海は、北の最果て北海道の新千歳空港にやって来た。

「結局来ちまったぜ、北海道に・・・」

 鳴海がそう呟いた時、何処からか聞き覚えのある声が聞こえて来た。

「氷鉋さん」

 その声は、理奈の物だった。

「えっ?」

 鳴海は辺りを見回した。

「何処見てるんですか、後ろですよ」

 その言葉に、鳴海はそっと振り向いた。

 するとその先には、メガネを掛けた三つ編みの理奈が立っていた。

「あんた、この間の」

何故此処に?──と、疑問を浮かべる鳴海。

「私の家、こっちの方なんです。

 それにしても、昨日は大変でしたね」

「何の事だ?」

「もう、とぼけちゃって。事件ですよ、予備校で起きた」

「何であんたそれを?」

「フフ、それは何れ解ります」

 理奈はそう言うと、鳴海の手を引いて歩き出した。

「お、おい、何処に行くんだよ?」

「私の家。旅館探すより手っ取り早いですよ?」

「い、良いって」

「遠慮しないで下さい」

 そうこうしている間に、二人は付近の自転車・バイク一時預かり所にやって来た。

「此処、駐車場だぞ?」

「良いの良いの」

 理奈はそう言うと、グレーのCBR1000RRの前で止まった。

「はい」

 と、理奈はCBR1000RRのハンドルにぶら下がっているヘルメットを鳴海に渡し、コンタクトに付け替えると、シート下の収納スペースからヘルメットとゴーグルを出して装着した。

キュルルッ、ブォーンッ!──理奈はCBR1000RRのエンジンを掛け、後ろへ引いて出した。

「乗って?」

 と、CBR1000RRに跨る理奈。

「あんた、バイク乗るのか?」

「私が乗っちゃいけないのか?」

「否、そう言う訳じゃない。ただ、女の子がバイクに乗るのって珍しいなって思ってな」

「そうか・・・。どうでも良いが早く乗りな!」

 理奈はそう言って、アクセルを入れた。今にも出発したがっている様だ。

 鳴海はヘルメットを被って後ろのシートに跨った。

「走るからしっかり掴まりな!」

「あ、ああ」

 と、鳴海は理奈にしがみつく。

「ひっ!」

 鳴海の手が理奈の胸に触れ、彼女は驚いた。

「バカ、何処触ってんだよっ!?」

 そう言って理奈は、鳴海の手を掴み、CBR1000RRから降りて放り投げた。

「うわっ!?」

 放り投げられた鳴海は空中を舞い、背中を地面を打ち付けた。

「っ痛・・・」

 と、体を起こして背中をさする鳴海。

 理奈はハッと驚き、慌てて駆け寄った。

「ご、御免なさい氷鉋さん!大丈夫ですか!?」

「いてててて、これが大丈夫に見えるかっつうの!」

「私、バイクに乗ると性格変わるんです。本当に御免なさい!」

「そうならそうと先に言え!」

 と、理奈を睨んだ。

「そ、そんなに怒らないで下さい。悪いのはもう一人の私バイクおんななんですから」

 と、理奈は冷や汗を垂らした。

「良いよ、もう・・・。俺、タクシーで行く」

 鳴海はそう言って、タクシー乗り場の方へ向かった。

「ちょ、ちょっと!?」

 しかし、その言葉はもう届かなかった。




このペースだと、10話超えちゃうかな?



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