File 02.被害者
鳴海が通報して数分、それは来た。
「こら、死体に触らない!」
鳴海はやって来た刑事に、金髪の少女と共に女子トイレから追い出された。
その二人の前に、40代半ばの男が現れた。
「第一発見者は君達かな?」
そう訊ねたのは、高宮 繁治。警視庁捜査一課の警部だ。
「いえ、最初に発見したのは私です。彼は後から」
と、少女は鳴海を差した。
「ああ、教室にいたら悲鳴が聞こえてな。それで来てみたら、身体中を滅多刺しにされた被害者と腰を抜かしたこいつがいたって訳だ」
成る程──高宮はそう発すると、次の質問をした。
「現場に来て、おかしな所とかはあったかね?」
「と、言いますと?」
「気になる点だよ。普段と何かが違ったとか、怪しい人物を見たとかね」
その発言に鳴海は一瞬考えて、
「特に無かったですね。そう言うのは」
「そうか・・・」
高宮がそう呟いた時、女子トイレの中から女性が出て来た。
「高宮警部、被害者の免許証を見付けました」
女性はそう言って、高宮に被害者の免許証を渡した。
高城 真理──免許証にはそう書いてあった。
それを見た鳴海は、ボソッと呟いた。
「これウチの担任」
「何?それなら話しが早い。殺された高城さんはどんな人なんだね?」
「どんな人って、優しくて良い人でしたよ。恨まれる様な事なんて無いと思います」
「そうか。ならこれは事故死」
と、手帳にボールペンで書き付ける高宮。
「違うでしょ高宮警部!あなたは某アニメの刑事さんですか!?」
(やれやれ・・・大丈夫かこれで?)
先が心配になった鳴海は、
「刑事さん、一つ情報を」
その言葉に、高宮と女刑事は耳を傾ける。
「殺された高城先生なんですが、僕が調べた所、死後1〜2時間程経っています。死因は心臓を一突きされた事によるショック死。その後、犯人によって全身を切りつけられたのでしょう」
あなた何者?──女刑事はそう言いたそうな顔をした。
「何故そんな事が解るんだね?」
その問いに女刑事は答えた。
「この子、さっき遺体に触れてたのよ。大方、証拠の隠滅でも図ろうとしてたのね」
「て事は君が犯人か」
高宮はそう言って、手錠を取り出した。
(も、もしかして、疑われてる?)
ガシャンッ!──今、鳴海の手に手錠がはめられた。
突如誤認逮捕されてしまった鳴海。
彼の運命は如何に!?