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File 11.追跡者

 道警、捜査一課。

「山路 敏哉の家でこんな物を見付けた」

 そう言って例の脅迫状を渡す鳴海。

「それと、殺された山路 敏哉に弟はいないか?」

「弟?否、いないな。だが、息子が確か東京の学校かなんかにいたと思ったけど・・・?」

「名前は?」

山路 拓也やまじたくや。それともう一人、敏哉には交際していた女がいました」

(山路の実父?)

「で、女の名前は?」

「高山 涼子。職業は刑事らしいですよ。警視庁にいるとか言ってたかな」

「一寸待てっ、敏哉の女は高城 真理じゃないのか!?」

「ああ、それは別れた妻の名だ。彼は高山 涼子と不倫関係にあり、離婚したんじゃないかと思う」

 鳴海はニヤリと笑みを浮かべた。

「高城 真理が別れた奥さんで、高山 涼子が離婚の原因に成った不倫相手・・・。高城 真理が敏哉を殺害したと見ても間違い無いな」

「あっ、そうだ!」

 刑事は思い出したかの様に叫んだ。

「山路 拓也は敏哉と高山 涼子の間に出来た子の名だ」

「マジかよそれ!?」

 刑事は頷いた。

「まあ良いや。詳しい事は東京帰ってから調べる。じや」

 鳴海は捜査一課を跡にし、理奈が待っているロビーに向かった。

「犯人像が浮かんだ、東京帰るぞ」

「えっ、本当ですか!?」

「ああ」

「解りました、行きましょう」

 理奈はそう言って署を出て行った。そして、鳴海もそれに続く。



 署を離れ、暫く走っていると、バイクの後ろを怪しい車が追っているのに気付いた。

「どうする鳴海?」

 と、理奈が聞く。

「脇道に入って待ち伏せだ」

 理奈は脇道に逸れた。後ろも同じ様に曲がった。

 バイクと車は、互いにブレーキを掛けて止まった。

 鳴海はバイクを降り、車へ近付く。すると、中から覆面をした人物が降りて来て拳銃を構えた。

「銃か。卑怯だぜ」

 鳴海は両手を挙げた。途端、覆面の拳銃が銃声と共に吹っ飛んだ。

 鳴海が振り向くと、バイクに跨ったまま拳銃を構えている理奈の姿が在った。

「隠すつもりは無かったんだが、私はこう言う物だ」

 そう言って懐から手帳を出し、鳴海に投げる理奈。

「FBI捜査官?」

「そう、私は日本で捜査をしているFBIよ」

「嘘だろ?だってお前、東大志望じゃん」

「それは、東大で大きな事件が起きてるって言う情報を得たから、生徒として入学しようとしてただけ。ってそんなのどうでも良いわ。そこのあなた?覆面を脱ぎなさい」

「待った」

 鳴海は理奈の指示で覆面を脱ごうとしていた人物に言った。

「あんたの名、当ててやるよ。あんたの名は、高山 涼子だ」

 覆面は顔を晒した。

「どうして解ったのかしら?」


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