表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

成らない 携帯

作者: 奏都

部屋の中央に置かれた携帯


ぽつんと

ひとつだけ



何もない部屋にはとても違和感がある


今日はいつもと違って上から携帯を見てみた



上から見る携帯はたくさん受信している


楽しいね


あたしは携帯があまり器用に使えなかったのでバイブレーターだけであった


鳴りつづけている


みんな何を送ってきたのかな

なんの用があるのかな


見るのが楽しみ



横からみる携帯は

無愛想に存在するだけ


なんの反応もしないし

暗い画面のまま

時計だけが動いている


一秒が遅く感じる

時が止まりそうな勢いだ


悲しいね


下から見る携帯は

意味もなく

待ち受けだけが開かれるためのもの


待ち受けはあたしを見つめてくれるが

待ち受け以外は誰もあたしを見てくれない


寂しいね


上から見ただけでこんなに世界が変わるものなのですか


上から見た世界は多少綺麗に感じます


汚い人や汚い物を見てきたあたしにはそう感じました



突然

ドアがガチャガチャと乱暴にこじ開けられた


大家さんが合鍵で部屋に入ってきた


あたしは

あまりにびっくりして

『いきなりなんですか!』と叫んだ



大家さんはのそのそと部屋に入り

電気をつけた


急に明るくなったため

目がちかちかすると思ったが

全くならなかった


そしてその重い口を開いた


『ここで死なれたら迷惑なんだよ 馬鹿女』と



虚しいね



まだ嫌われるの?まだ終わらないの…




ENDLESS

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ