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トレジャーハンター三人娘の内緒事~強化魔法?そんなの知らないんだけどっ  作者: あんそに
第二章 〜 三人娘の進む道 〜

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山間の町と、森に住む種族

ユミエルの実家がある港町から東へと来た。


山間の町、リュウリーン。


ここに元エターナルインテンションのメンバーのウチの一人、弓使いの方が住むと聞いた。


「お名前…分からないのよねー。」

「今回も難易度が高いね。」

「困った時はギルド…。」


エタルナの言うように、とりあえずギルドへと向かう。


「すみません、エターナルインテンションというパーティーはご存知ですか?」

聞いて回るが、誰も分からないと言う。

こちらのギルドマスターさんともご挨拶出来たが、情報は得られず。


「うーん、情報が何も無いね。」

「仕方ないわね…宿を探してしばらく滞在しましょ。」

私達は、この町でギルドの仕事を請け負いつつ、

お父さんの元パーティーメンバーの弓使いを探す事にした。


比較的お値打ちな宿を見つける事が出来た。

この町の近くにダンジョンがあるらしく、トレジャーハンターの来訪も多いらしい。


「ギルドに戻って掲示板を見ましょ。」


「ユミエルのお父さんにお金を貰っていたら…」

「ダメ……それだと、ウチ…自立した事にならないから。」

エタルナの言葉をユミエルは否定した。


「まぁね…あんな大金を貰ったら堕落しちゃうわ。」


ギルドの掲示板には、多くのモンスター討伐依頼があった。

が……私達が得意とする素材採取の依頼は少ない。


「うーん、どうする?

 思い切って…モンスター討伐しちゃう?」

「そうだな、あたし達も強くなった…筈。

 弱そうなのを選ぼう。」

エタルナが、モンスター討伐に賛成するなんて、凄い進歩ね…弱そうなのは御愛嬌って事で。


「これなんか、どうかな?」

ユミエルが提案したのは、ブラックボアの討伐。


「畑を荒すみたいね…農業組合からの依頼みたい。」

「町の人の為になるなら、一石二鳥だね。」


私は、ブラックボアの討伐依頼の紙を引きちぎると、受付嬢さんへと渡した。


翌日、指示された森へと向かう。


森は深々と木々が覆っている。

「ユミエル…太陽の光が遮られるから気をつけてね。」

「うん…しっかり溜まっているから大丈夫。」

ユミエルは、緑色に輝く宝石部を触りながら答えた。


「この辺りに巣があるらしいけど…」


右肩に浮かぶ球体が熱くなる。

《左から…来る》


「左方向!気をつけて!」

伝えると…

エタルナは前へと出て、盾を構えた。


ドンッ!!


いきなり突進攻撃を喰らう。

――目当てのブラックボアだ!


脇を通り過ぎたボアは円を描くように戻って来た。


「速い!」

ふたたびエタルナが盾でかわす。


ユミエルが杖を向ける。

「ファイアーアロー!」

放つ…も、

紙一重でボアはかわした。


「球体…二倍お願い!」

《感覚二倍…筋力二倍…》

研ぎ澄まされる感覚…


閉じた目を空け…

地面を強く蹴り、前へと飛び出す。


ブラックボアも後ろ足を蹴り、勢いよく突進!


――ザンッ!

「よしっ!急所を貫いた!」


ボアは…ゆっくりと倒れた。


「お見事!!」


え?誰の声??

ユミエルでもエタルナでも無い、女性の声。

しかも…上の方から…


声がした方を見上げると、木の上には小柄な女性の姿があった。


「えーっと、どなたですか?」

その女性は……木の上から飛び降りる。


飛び降りる姿は…

まるで空から舞い降りるように洗練され…

音も立てずに着地した。


あれ?

特徴的な長い耳……エルフ族だ。


「こんにちは、侵入者さん。」

「え?侵入者!?」

思わず、驚きの声が出る。


「そう、森の中で火魔法を使うなんて……ボクから見たら危険な侵入者だよ。

――燃え広がったらどうするのさ。」

「ごめんなさい…」

ハッとしたユミエルが慌てて謝罪した。 


「見たところ…

 拠点を構えないトレジャーハンターって感じかな。」

「はい…人を探して旅をしています。」


「へー、大切な人でもお探し?」

「エターナルインテンションと言うパーティーの元メンバーを探しています。」


「ふーん、そうなんだ。

 で、その人を探してどうするつもり?」

「私のお父さんが…昔、そのパーティーのメンバーでして…話を聞きたいんです。」


「――そっか…」

そのエルフは黙ったまま何も言わない。


「あの…知りませんか?エターナルインテンションというパーティー。」

「ちょっと…分からないかも。

じゃぁ、ボクは急ぐから行くね…

縁があれば、また会えるかもー。」

そう言うと…エルフ族の女性は木の上へと飛び上がり、すっと姿を消した。



「今のエルフ族の方だったよね…」

「あたし、初めて見た。」

私も、エルフ族の方と話すのは初めてだった。


何だろ?どこか不思議な感じのする女性だった。


右肩に浮かぶ球体も、小刻みに揺れる。

まるで……何かに怯えているようにも感じた。



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