進むべき道と、別れの意志
「次はどこに行くのかい?」
朝食の時、ユミエルのお父さんに尋ねられた。
「まだ決まっていないので、今日はギルドで情報収集です。」
「情報?」
「はい、私のお父さんが所属していたパーティー、
"エターナルインテンション"
その話をもっと聞きたくって…」
「なるほど…、その先に何があるんだい?」
「その…私、お父さんが探していたという宝具を探しているんです。
その為に、まずはエターナルインテンションの元メンバーを探しています。」
エターナルインテンション……
意味は"永遠の意志"
父は、どんな想いでその名を背負っていたのだろう。
「そうか…それは、どのような宝具なんだい?
宝具の事なら、私でも力になれるかも知れない。」
「それが…それも、まったく分からなくって…」
私の力になりたいというお父さんの気持ちが、とても嬉しい。
ただ、その反面…まったく情報を伝えられない事にもどかしく感じる。
「そうなのか…それは大変な仕事だな。」
ゆっくりと紅茶を口へと運び、難しそうな顔をしていた。
この街のギルドはとても大きい。
中に入ると、昨日、ユミエルのお父さんを護衛していたハンター達が居た。
「こんにちは、昨日はありがとうございました。」
「あぁ、君達は…」
五人組のハンター達と挨拶を交わす。
「あの…エターナルインテンションというパーティーの事はご存知ないですか?」
「あー、知っているわ。聞いたことある。」
五人のうちの一人が答えてくれた。
――気持ちが明るくなる。
「あの…私、そのパーティーのメンバーを探しているんです。何か知りませんか?」
「どこに居るかは知らないな…」
うーん、と唸りながら首を傾げている。
「あ、ギルドマスター!」
手を上げて、呼ぶ方を見ると、美しい女性の姿があった。
「どうかしたの?」
元、魔法使いだろうか…
気品と共に何とも言えない凄みを感じる。
「この子が、エターナルインテンションの元メンバーを探しているみたいで…」
「ほぉ…あのパーティーか…」
「ご存知なのですか?」
「Sランクのパーティーだったな…詳しくは知らないが…
ここからさらに東へと行った町に、元メンバーの弓使いが住むと聞いた事がある。」
「ありがとうございます!」
深々とお辞儀して、ギルドマスターさんと、五人組のパーティーの皆さんにお礼を伝えた。
右肩に浮かぶ球体が…少し動いたのが分かった。
《――会うべき》
「うん…そのつもりよ。キミ…何か知ってるの?」
《―――》
相変わらず、肝心な事は話さないのね。
「お世話になりました。」
翌朝、ユミエルの家族との別れの時が来た。
「これを持って行きなさい。」
お父さんがユミエルに手渡したのは羽根がついた腕輪。
「これは…この前のハーピーの羽根。」
「そうだ…その腕輪には混乱防止の効果がある。」
ユミエルは嬉しそうにそれを腕へと通した。
「あと、これを持って行きなさい。」
袋の中を覗くと、お金が入っていた。
それも大した金額だ。
「お父さん、ありがとう…
でも、大丈夫…私達三人で何とかするわ。」
「そうか…じゃぁ、気をつけてな。」
次にユミエルのお母さんが前へと出た。
「元気でね…立派な魔法使いになるのよ。」
お母さんは、私へと向き直した。
「アンジュさん、エタルナさん、娘をお願いします。」
シャルルがユミエルの元へと駆け出す。
「私、もう迷わない。お姉ちゃんの成功を、ずっと祈っているから!」
シャルルは今にも泣き出しそうだ。
ユミエルは、シャルルを抱き寄せた。
「また、帰ってくる…必ず。」
「うん…」
家族はいつまでも手を振っていた。
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