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トレジャーハンター三人娘の内緒事~強化魔法?そんなの知らないんだけどっ  作者: あんそに
第二章 〜 三人娘の進む道 〜

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甘い香りの罠と、守る誓い

「さて…行こうか。」

朝早くにユミエルの実家である商会を出発する。

肌寒さが残るが、新鮮な空気が心地いい。


ユミエルのお父さんから出された課題…

『ハーピーの羽根の採取。』

に向けて南の洞窟へと向かう。


お父さんは仕事の都合で不在の中、

お母さんとシャルルが見送ってくれた。


「ねぇ、アンジュちゃんはハーピーの事を知ってる??」


「”翼を持つ女性の姿をしたモンスター"って事くらいかな。」

「ウチの知識と同じね。」

得体の知れないモンスターとの対峙が迫り、緊張を隠せない。


――簡単な試練では無い。


エタルナが盾を強く握りなおしたのが分かった。


「ここかな?」

渡された地図を確認する。


洞窟内からは冷たい風が流れ出ていた。


「ここたね。」

「行こう。」

「おぅ。」


洞窟内、コウモリ型のモンスターが出現。

超音波により、感覚が鈍らさせる。


私とエタルナが動けないでいると、

ユミエルが稲妻魔法を使いコウモリ型を撃ち落とした。


「ありがとう。でも、暗いから…魔力、気をつけて。」

「うん、そうね…」

杖の宝石部を確認しながら言葉を返すユミエル。


次に現れたモンスターはイノシシ型。

――突進攻撃。


エタルナが前へと出て突進を受け流す。

ユミエルが魔法でダメージを蓄積させ。

ひるんだ所を私の剣でトドメを差した。


一体…次の一体。


戦闘を重ねる度に三人の呼吸が合っていく。


「今の…良かったんじゃない?」

「あぁ、凄く自然だった。」

「魔力量も抑えられたわ。」


お互いの手をパチンッと打ち合わせた。


―――緊張感も少し和らぐ。


しばらく歩くと急に視界が広がる場所へと出た。

どこからか淡い光が差し込み、暖かな雰囲気を感じる。


「不思議な所ね。」


そう言った瞬間、エタルナが天井を指差す。

「あ、あれ!」


天井からぶら下がっているのは…女の人!?


「あれは…」

口にした時、その女性はバサリと翼を広げた。


「ハーピー。」

宙を舞うその姿はとても優雅で、気品さえ感じる。

モンスターなのに…

思わず見惚れてしまった。


「ユミエル、魔法!」

我に返り、指示を出す。


「ファイアーアロー!」

炎の矢がハーピーに向かって飛ぶ。


が、さらりとかわすハーピー


ハーピーはニヤリと笑うと、翼を振り下ろした、

――突風!!


エタルナが前へと出る。

私とユミエルは共に背後へと入る。


エタルナの体がジリリと下げさせられ、二人で背中を支えた。

――なんとか耐える。


次にハーピーは空を舞い始めた。

円を描くように舞っている…まるで、何かを楽しんでいるかのよう。


その姿を見ていると…

不思議な感覚に陥った。


なんだか懐かしい…


いつの間にか白い霧のようなものが洞窟内に広がる。


「何…これ??」


甘い香りがする…

安心するような…匂い。


目の前が白く包まれる。


「幸せ……」


暖かな気持ち。


どうして…私はこんな事をしているんだろう?

戦いなんて…


めんどくさい…


剣を投げ捨て、私はその場で座り込んだ。


《状態異常…解除》


右肩から球体の声が聞こえると、

一気に白い霧が晴れた。


あれ?

何故?私は剣を捨てたのだろう?

剣を拾い立ち上がる。


目の前には、武器を捨てて座り込むユミエルとエタルナの姿があった。

とても幸せそうな顔をしている。


「二人共!目を覚まして!」


空中からはクスクスという笑い声が聞こえる。

ハーピーの仕業…


「球体、何とかして!」

《――不可能》


「だよね…。」



「ユミエル…ごめん!」

私は思いっ切りユミエルのほっぺたを叩いた。

――叩いた手が痛い。


エタルナにも同じようにビンタをする。

――手も…心も痛い。


「あれ?ウチ?」

「あたしって…」

二人の目からは白い影が消え…私を見つめた。


「よしっ!立って!」


武器を拾い、立ち上がる二人。


ハーピーの笑い声が消え……真顔となる。


「ファイアーアロー!」


ユミエルの放った炎の矢が、ハーピーの翼をかすめる。


「キ―――!!」


ハーピーは、甲高い声を上げると、洞窟の奥へと逃げていく。


「追いかけよう。」

走り出そうとした時、

何かがヒラヒラと上から落ちてくるのが見える。


白く光るもの…それは羽根だった。

ハーピーの羽根を獲得。


「依頼達成だ。」

「やったね!」

「よし、帰ろう。」


すると、背後から声が聞こえた。


「合格だ。」


振り返ると、

ユミエルのお父さんが見知らぬハンター達と共に立つ姿が見えた。


「いざとなったら助けるつもりだったが心配無用だったようだ。」


どうやら、ハンター達は護衛らしい。


「あの…これ、依頼のハーピーの羽根です。」

ユミエルが差し出す。


「あのハーピーは人のやる気を失わせる幻術を使う。」

「よく克服したね。」


そしてお父さんは、私の方へと向き直した。


「アンジュさん、娘をよろしく頼む。」


私は少し戸惑ったけど、すぐに目を見て告げる。

「はい…必ず守ります。」


その瞬間…

右肩の球体が、はっきりと熱を帯びた…


《守る…駄目…繰り返す》


「え?」


その意味を考える前に、淡い光がふたたび差し込んだ。


私は剣を握りしめる。

――心に誓う。


たとえ、それが間違いだったとしても…


私は仲間……大切な人たちを守りたい。



読んでいただきありがとうございます!

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