呪いの告白と、宝具の行く先
「え?何?」
私達三人が一斉にユミエルの妹を見た。
ユミエルの両親も不思議そうに見ている。
まさか…ユミエルに呪いをかけていたのが…妹さん?
「シャルルに…何か…問題でも?」
ユミエルのお父さんは困惑気味に尋ねる。
「この崩れ落ちた花…実は呪いを見つける花なのです。」
―――呪いに反応する花。
持ち主に呪いをかけている人物が、前に立つと枯れてしまう。
ラミーさんに聞いた内容を詳しく説明した。
「え?そんな…私、お姉ちゃんに呪いなんてかけていないわ。」
「じゃぁ、どうして!?」
ユミエルが妹さんに詰め寄った。
シャルルは、怯えるように首を横へと振り続ける。
「ユミエル!落ち着いて…。
一旦、座ろう。」
お父さんの呼びかけで、隣にある会議室へと移動する。
重い空気の中、ユミエルが話し始めた。
「ウチは魔力が詰まっているの…呪いのせいで。」
「砂漠の占い師さん…その師匠オリビアさん。
そして、魔法使いのラミーさん。
みんなが教えてくれたの。」
話を聞いたユミエルのお父さんが口を開く。
「その呪いの杖のせいじゃないのか?」
「違うわ…この杖を持つ前からだから。」
「シャルル…心当たりは無いか?」
「私…」
お父さんの質問に妹さんは言葉を詰まらせた。
「正直に話しなさい…怒らないから。」
シャルルの隣に座るお母さんが手を繋ぎながら伝える。
「私…お姉ちゃんが魔法学校に行くのが嫌だったの!」
「ずっと…ずっと…一緒に居たかった!」
突然、大きな声を出したシャルルの言葉に一同、硬直する。
「だから、魔法が使えなかったらいいのにって願ったの!
今でも、早く帰ってきて欲しいって願っている。
毎日…毎日…
私は、お姉ちゃんと一緒に!二人でこの商会を引き継ぎたい!」
一気に感情を爆発させ終えると…シャルルは泣き出した。
ユミエルは涙ぐみながら伝える。
「この商会はあなたが居たら大丈夫…ウチはウチの生き方をしたいの。」
「あなたもあなたの生き方をして…」
シャルルは答えた。
「私はこの商会を引き継ぎたい…でも、私一人じゃ不安。」
「大丈夫!シャルルは賢い。ウチなんかよりずっと。」
「そんな事無い!」
言い合う二人。
娘二人の会話を聞いていた両親が話を始める。
「シャルル…私達は、あなたにこの商会を引き継いで貰いたいわ。」
「でも、それが重荷になるなら、手放しても良いと考えているんだ。」
「え?そんな…手放すだなんて…」
「私達は、ユミエルもシャルルも、自分自身の幸せを一番に考えて欲しいんだ。」
真っ直ぐにシャルルの目を見る両親。
「ありがとう…ちゃんと考えてみる。」
シャルルは…涙をぬぐった。
「でも…どうして呪いなんかに…」
お母さんが言うと、シャルルは何か思い出したようで、立ち上がった。
「あの瓶かな…」
シャルルの部屋がある3階へと移動する。
「毎日、この瓶にお願いをしていたの。」
「お姉ちゃんが魔法使いを止めて帰って来ますように…って。」
そこには七色に輝く瓶が置かれていた。
右肩の球体の声が聞こえる…
《――宝具。》
《――増幅。》
「それは…宝具ね。人の祈りを増幅させる力があるわ。」
球体から聞こえた断片的な言葉を具現化する。
「こんなの…壊してしまうね。」
妹が瓶を持ち上げた時、ユミエルが止めた。
「いや…せっかくの宝具…」
「これからは、毎日…
ウチの魔法が強くなる事、ウチ達が安全に旅を続けられる事、それを願ってくれないかな?」
シャルルは大きくうなづいた。
ユミエルの実家にあった七色に輝く宝具。
そこから放たれていた"呪い”…今後は"祝福"へと変わる事だろう。
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