東の町と、森の魔法使い
「良かったねヤンガサウスに平穏が戻って。」
あの少年の母親も回復へと向かっているとの事。
「あとは町の人々とで何とかするから心配ないよ。」
占い師オリビアさんの言葉が耳に残る。
私達三人は南の町を旅立ち、東の町へと向かっている。
オリビアさんからの情報では、
呪いに詳しい魔法使いがそこに居る。
東の町、タモサリア。
そこは多くの商店が立ち並んでいた。
店に立つ商人達の声が町を活気づかせている。
商店には、肉から果物、木ノ実、野菜と何でも揃っていた。
「うわぁ、美味しそうな食べ物が沢山だなー。アレ食べたい。」
「ダメよ…倹約よ。」
エタルナの意見に賛同したいところたけど、
ユミエルの考えも納得だわ。
なんせ…最近、仕事をしているようで、あまり稼げていない。
「まずは…情報収集ね、美味しいご飯は後よ!」
「はーい。」
エタルナは残念そうな顔をした。
魔法使いの話を聞いて歩き回る。
「呪いの事に詳しい魔法使いだと?
もしかして…ラミーの事か?」
名前までは分からない。
尋ねた男の人は、言葉を続けた。
「アイツは危険だ…近寄かない方がいい。」
近寄るな?
一体、どういう事?
二人と顔を見合わせる。
すると…男は足早に去っていった。
…さらに聞き込みを続けると、
商店の女性が答えてくれた。
「あー……ラミーね。
あの人、もう“普通”じゃないよ。
モンスターに洗脳されたって噂さ。」
「洗脳?」
聞き慣れない言葉に困惑する。
「今では、モンスターと共に森で暮らしてるよ。」
「いつか…この町へと攻め込むって話さ。」
「え?町に攻め込む。」
「そうさ…この町を乗っ取る算段らしい。」
「そんな事…ある?」
「信じるも信じないも、あんた達の勝手だけどね…」
「この町に迷惑をかけないでおくれよ。」
お礼に果物を一つ買い、商店から離れた。
「どういう事かな?」
エタルナは不思議そうに首を傾げた。
「行ってみれば分かるんじゃない?」
ユミエルの意見ももっともだ。
ラミーさんと言う名の魔法使いが、探している方なのかは分からない。
けど…他に情報は無い。
「よし、じゃあ…行こう!ラミーさんに会いに!」
魔法使いが暮らすという森へと向かう。
町の活気から離れる。
急に静かになったからか、森の中はとても淋しげに感じた。
町の音が、背後でぷつりと途切れた。
「なんか静かね…」
「動物も…少ないな。」
辺りを見渡しながら、先へと進む。
少し開けた場所に出た。
そこで見る光景に絶句する。
女の人が…伸ばした腕に舞い降りた鳥。
あれは…明らか…
鳥型のモンスターだ。
モンスターを腕に乗せている?
おかしい…
女性は私達の存在に気づいた。
「あら?可愛いお客さんね。」
「どうしたの?」
青く長い髪を束ねた女性…ラミーさんだろうか?
「あの…この町に呪いに詳しい魔法使いが居ると聞きまして…」
その方を探している事を伝えた。
「うーん、それは…多分、私の事ね。」
「でも…残念ながら、そんなに詳しくは無いわよ。」
「この子なんですけど…」
私が紹介すると、ユミエルは挨拶をする。
が…ラミーは、やはり何も感じないようだった。
ユミエルは不安なのか、安堵なのか分からない表情をした。
「ところで…町で聞いたのですが…」
「タモサリアの町を滅ぼすって本当の話ですか?」
思い切って真意を尋ねる。
「聞いちゃったのね…
でも…それはデマよ。」
「私はこの子達と仲良く暮らしているだけ。」
そういうと…鳥型のモンスターの頭を撫でた。
さらに…森の中から出てきた馬型のモンスターと頬ずりをする。
モンスター達と…この人って…
一体、どうなっているんだ??
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