表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トレジャーハンター三人娘の内緒事~強化魔法?そんなの知らないんだけどっ  作者: あんそに
第二章 〜 三人娘の進む道 〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/43

昼の声と、夜の声

オリビアさんと分かれ、宿屋へと戻る。


夕暮れ時、町中からは人影がさらに少なくなっていた。

「役所が伝染病を疑っているのなら…町の人が出歩かないのも納得だな。」


「でも…淀みが原因なんでしょ?」

「そうね…でも…淀みって何なのかな?」


――突然。


右肩に浮かぶ球体が熱を帯びた。

その熱はいつも感じるよりも熱い。


「え?何?」

思わず声が漏れる。


「どうしたの?アンジュちゃん?」

「この教会に何かあるのか?」


立ち止まった場所。

そこには大きな教会が佇んでいた。


「立派な教会だなー。」

「この教会がどうかした?」


「うーん…なんかザワつくのよねー。」

「入ってみようか…」


「アンジュがそう感じるなら行こう。」

「そうね…神様に祈りましょ。」


大きな扉をノックすると…

しばらくして、男の方が姿を現した。


「お嬢さん方、どうかしましたか?」

この方が、この教会の神父様なのだろう。


「私達、トレジャーハンターなのですが、この町に立ち寄りまして…」

私が口火を切る。

「その…伝染病が流行っていると聞いたので…」

ユミエルが言葉を引き継ぎ…

「町の人々の為に祈りを捧げたい。」

エタルナが締めくくった。


「そうですか…それは有り難い話ですね。」

そう言うと神父さんは、笑顔で迎え入れてくれた。


祭壇へと向かう道中。

目線を動かし、周囲を探る。


教会の左右を飾るステンドグラスが夕日を浴びて幻想的な光を放つ。


右肩に浮かぶ球体は熱を帯びたままだ。


「特におかしな所は見つからないわね。」

ユミエルが耳打ちする。


教会正面…祭壇の前で、私達三人は手を合わせた。


「この娘たちに神の加護があらん事を…」

優しい声に包まれる。


神父様にお礼を伝え、教会を後にする。


「特に何も無かったわね…」

「神父様、良い感じの人だったね。」


「うん…考えすぎだったかも…」

二人の声を聞き、そう考えた。


球体は、いつの間にか静かに浮遊している。


が…


夜…寝ようすると、また球体が熱くなった。

頭の中に直接話されるよつな声。


《あの場所…行く…べき》


あの場所って…教会だよね。

「アンジュちゃん…どうしたの?」


右肩をジッと見た後…

私はユミエルとエタルナに向き直した。


「やはり…あの教会、おかしいと思うの。」


「アンジュちゃんったら、真剣な顔。」

ユミエルは杖の宝石部分を見つめる。


「アンジュが言うなら、そうなんだろう。」

エタルナは立ち上がり、盾を撫でる。


休もうとしていた二人は身支度を始めた。


「二人共…ありがとう。」


暗闇の中…昼間訪れた教会へと足を運んだ。


前に立つと、球体がふたたび熱を帯び始めた。


「どうする?」

「あっちに、裏口がある。」

エタルナが指差す方に向かった。


こっそりと中に入る。


「これ…犯罪じゃない?」

「何も取らなければセーフって事で。」


「何?この変な声…」

唸るような、叫ぶような…

色々な感情が交わったような声。

――その声は、あきらかにおかしい。


神父さんが手を合わせる先…

その先の祭壇の上には鏡が飾られていた。


カタッ


しまった…


「誰だ!」

神父さんが叫ぶ。


「スミマセン…道に迷って…」

相変わらずの苦しい言い訳…


「アンジュ…あれ…」


気づいた…


祭壇には、女の人が寝かされている。


「何…しているのですか?」


「――」


「あの…その女の方はどなたですか?」


問いかけると、神父さんの顔が豹変した。


「――妻を蘇らせるんだ。」


見ると…祭壇の上部にある鏡からは、

禍々しい黒い煙が発せられていた。


球体が熱を帯びる。

《破壊…しろ…》


「ちょっ、何これ!」

ユミエルが持つアーティファクト、魔法の杖の宝石の緑色まで黒く染まり始めた。

手が震え…杖を落としそうになる。


鏡は不気味な光を帯び始める。


発する黒煙からは、ツンとした匂いを感じ…思わず鼻を覆う。


「う…うぅ…」


唸り声を上げながら

――神父が倒れる。


エタルナとユミエルも膝を折る。


私も…立っていられない。

凄まじい脱力感と、目眩が生じる。


これが…淀み


頭痛の中…声が広がる。

《状態異常…解除》


「ありがとう…球体。」


私は立ち上がり、祭壇へと駆け登る。


黒い煙を吐き続ける鏡。

その姿は…どこか人間の顔のようにも見えた。


――迷いは無い。


鏡に向かって剣を振り下ろした。


ギャーーーーー


悲鳴のような断末魔。

空気を切り裂くような声に思わず耳を塞いだ。


鏡は二つに割れ、

淀んだ煙は静かに消えていく…


「何やっているんだ!?お前達!?」

やって来たのは憲兵。

夜の見回りでもしていたのだろうか…

もう…終わったけどね。


私は剣を握ったまま、しばらく動けない。

これで収まったのか…


事情を話し、倒れている神父様を引き渡した。


神父様の妻の体は…

教会の煙が引くと共に朽ちていく…


翌朝…どことなく、町の空気は澄んでいた。

まるで昨夜の出来事は何も無かったかのような時間が流れている。


宿にオリビアさんが訪れた。


「昨夜はお疲れ様…やはり動いたのね。」

まるで見ていたかのような口ぶり。


「思い出した事があってね…伝えに来たわ。」


「えっと…何をですか?」


「ここから東へと向かった先にある町に呪いに詳しい魔法使いが居るわ。」

「もしかしたら…お嬢さんの事も何か分かるかも知れないと思ってね。」


わざわざ伝えに来てくれたオリビアさんに感謝を伝える。


次の目的地は決まった…

ユミエルの呪い。

その謎を解く為に私達は進む。


~~~~~~~


読んでいただきありがとうございます!

ブックマーク、いいね、⭐︎評価お願いします!


誤字・脱字等、ありましたら、是非ご指摘くださいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ