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トレジャーハンター三人娘の内緒事~強化魔法?そんなの知らないんだけどっ  作者: あんそに
第二章 〜 三人娘の進む道 〜

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箱の中身と、変わる空気

お待ちしておりました?

まるで、私達の来訪を予言していたかの言葉に動揺する。


「お気軽にしてくださいね…」

「…箱は持って来てくれましたか?」


初老の占い師オリビア。

その優しい笑顔の中には、どことなく貫禄を感じる。


「えっと…ここに。」

ユミエルは、鞄の中から砂漠の占い師から預かった箱を取り出した。


オリビアは、じっと箱を見つめる。

「間違い無いですね…では、報酬をお渡しします。」

そう言って、引き出しから封筒を取り出した。


「ありがとうございます。」

金庫番のユミエルが受け取る。


「あの…それで、その箱の中身は何なのですか?」

「気になるかい?魔法使いのお嬢さん。」


「はい…とても。」

「開けるな、と言われたら気になるものね。」


その言葉に三人で大きく頷く。


「この箱の中にはね…

淀んだ人の心を晴らす効果がある宝具が入っているのさ…」

「箱を空けると、その効果が始まってね。

効果は永遠じゃないから、使うまでは開けない決まりなの。」


「なるほど…」

三人で顔を見合わせた。


淀んだ人の心…

宝具によって晴らせる物なのかな?


「ところで…魔法使いのお嬢さんは…何かおかしいね。」

「はい…砂漠の占い師さんにも言われました。」


「そうか…あの弟子でも分かるようになったのね。」

「よし、じゃぁ…特別に無料で占うわ。」


占い師オリビアは…ゆっくりと水晶の上で手を回し始めた。


「うん…物理的な原因じゃないわね…」

「あなたの才能不足でも無いわ…」

「もっと…奥深く…」

「はぁ…」


オリビアさんは、占いを止めた。


「えっと…どういう事ですか?」

尋ねるユミエルの目を、オリビアはじっと見つめる。


緊張感のある場面…

私とエタルナは、何も言葉を発する事が出来ない。


「これは…呪いの類ね…」

オリビアさんの言葉に背筋が凍る。


「呪いって…何なのですか?」

青ざめながらユミエルが問いかける。


「誰かが…もしくは…何かが…

あなたの運命を邪魔している。と、言う事。」

冷静に淡々と…伝える。


「私…どうしたら…」


オリビアさんは、ふたたび水晶を撫ではじめた。


「呪いを解く鍵は…」

「…始まりの場所に行く必要がある 」


「始まりの場所??」

「それって…どこですか?」


「ごめんなさいね…はっきりとは分からないわ。」

申し訳無さそうに伝えるオリビアさん。


バンッ!


突然、ドアが大きく開いた。


「お母さんが…お母さんが…

大変なんだ!占い師さん、来て欲しい!」


叫んだ少年と目が合う…


この子は…さっきのユミエルの鞄を盗んだ少年!


「さっきはゴメン!でも…今は、僕の家に!」


少年の言葉に何かを察したのか、

オリビアさんは、私達が運んできた箱を掴む。


「案内しなさい。」


何が起きているのか分からない…

けど、只事じゃない様子を感じた私達三人も一緒に館を飛び出した。


息を切らして走るオリビアさんを、

エタルナはひょいと担ぐ。


「この方が早い。」


走りながら話を聞く。


少年の母親は寝込んでいるらしい。

父親は出稼ぎに行っていて不在。


「僕が…働くしかないんだ。」

少年は食べる物にも困り…母親にも食べ物をと盗みを働いていた。


「盗みは…仕事じゃないわよ。」

私が言うと…少年は叫んだ。


「じゃぁ、どうやって生きればいいのさ!」

少年の言葉に…私は答えを教えられなかった。

私自身も、ユミエル、エタルナという仲間に出会えていなかったら、彼と同じように迷っていたかも知れない。


「お母さんは、何かの病気なの?」

走りながらユミエルが聞く。


「お医者さんにも診てもらった!けど…全然、分からない。」


少年の先導で家に着いた。


「母さん!!」

「う…う……」

少年の母親は見るからにやつれ…苦しそうな声を発している。

部屋は…どことなく空気が悪い。


「だいぶ酷いわね…ここは…」

そう言うと、オリビアさんは箱を開けた。


次の瞬間、箱から白い煙が溢れる。


思わず口を塞ぐ。

右肩の球体は、まるで慌てているかのように青白い光を放つ。


「大丈夫…これは淀みを晴らす煙さ。」

「淀み?――ですか?」


口を覆った手を離す…

確かに…空気が軽くなったのを感じた。


「あぁ…今、この町は不思議な淀みによって汚染されている。」

「伝染病の類だと役所は考えているけど、それは…違う。」

「私は、各地に居る弟子たちから、この淀みを晴らす宝具を送り続けて貰っているのさ。」


アーティファクトの杖を強く握ったユミエル。

この場の”淀み”と自身の”呪い”を重ねているような表情。


見ると、少年は母親の手を握っている。

母親の呼吸は…少しずつ落ち着きを取り戻した。


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