新しい依頼と、心の阻み
「でも‥どうすんの?お金、無いわよ。」
「確かに…水を生み出す宝具を売れば大金が手に入ったが…」
ユミエルとエタルナが私を見る。
「そんな事出来る訳ないよね…」
せっかく宝具を発見したのに持ち出さなかった。
何の為に怖い思いをしたのか…
ピラミッド内部のトラップと戦闘を思い返す。
「はぁ~」
三人並んでガックリと肩を落とした。
「よし!ここで少し働こう。」
「仕方ないわね。」
「食べる為だ。」
私の提案に二人も賛同した。
「で…ギルドは何処だろう?」
「聞いてみよう。」
ここの町の人々はどこか穏やかで、
子供達が、はしゃぐ声もあちらこちらで聞こえる。
子連れのお母さんに聞くと、
この町にはギルドが無いという。
「えー、じゃぁ何処で仕事を探せば…」
驚く私達にお母さんは答える。
「管理官さんのお屋敷で聞くといいわ。」
「管理官?」
「そう、この町の…管理を国から任せられている場所よ。」
教えられた場所に向かうと、立派な屋敷があった。
どうやら、宿屋の運営もされているらしい。
「たまには宿屋に泊まりたいわね。」
「アンジュちゃん、贅沢は敵よ…」
中に入ると受付があった。
受付のおじさんに仕事を探している事を告げる。
「色々、あるよ…」
提示された用紙をのぞき込む。
用水路の工事。
建物の修繕。
畑の収穫。
物資の運搬。
モンスターの討伐。
「トレジャーハンターさんだったら、モンスターの討伐で良いですかね?」
「最近、東に強いモンスターが巣くっちゃってね…」
ユミエル、エタルナと顔を見合わせ…
頷きあう。
「物資の運搬でお願いします!」
三人の声が揃った。
驚いた顔をする受付のおじさん。
依頼主の居場所がかかれた地図を渡された。
「ピラミッドで怖い目にあったばかりだからね。」
「そうそう、今のウチらには休息が必要なのよ。」
「強いモンスターは…少し怖い。」
地図に書かれた丸印の場所。
そこには不思議な形をした建物があった。
丸いの?四角いの?
色んな形が組み合わさって出来ている…
「ごめんくださーい。」
ノックして家に入る。
何やらお店?のようで、建物の前には看板らしき物が置かれていた。
中に入ると…
甘い香りが漂い…少し眠気を誘う。
視界も煙によって狭まった。
「ようこそ…お嬢さん方。」
「今日は何を占いますか?」
「恋の行方…それとも…」
深くフードを被った女性は、
目の前に置かれた水晶の球を撫でた。
《―――》
球体がピクリと反応する。
違うわよ…多分、あなたの仲間じゃ無いわ。
心の中でそう伝えた。
「いえ…管理官さんの屋敷で仕事を紹介されまして…」
「あぁ、あの依頼ね。」
そう言うと占い師さんは、小さな箱を取り出した。
「この箱を運んで欲しいの…」
「届け先は南の町にある占い師の元へ。」
「私の師匠が居るの。」
町の名前は、ヤンガサルス。
前金として、少しのお金をいただいた。
「承ります。」
丁寧に礼をする。
「ただし…けっして箱を開けてはいけないよ。」
開けてはいけない?
そう言われると中身が気になるけど、
きっと大切な物が入っているに違いないわ。
「分かりました、けっして空けません。」
占いの館から出ようとした時。
「ちょっと待ちなさい。」
背後から声がかかる。
振り返ると…
占い師さんはユミエルの事を見ていた。
「そこのお嬢さん…」
まじまじと見られ、
ユミエルは、後ずさりした。
「何かおかしいわね…魔力の流れが変よ。」
ユミエルは誤魔化すように笑いながら言う。
「きっと、気のせいですよ…」
「いいわ…ついでに占ってあげる。」
占い師さんは…ゆっくりと水晶に手をかざした。
「淀み…
枯れ…
何かに阻まれている?」
ため息を吐いた。
「ごめんなさい…見えなかったわ。」
「私のお師匠さんなら分かるかも?」
「着いたら見てもらって。」
「ありがとうございます。」
ユミエルは少し浮かない表情をしながら礼を伝えた。
次の目的地は決まった。
南の町"ヤンガサルス"へと向かう。
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