表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トレジャーハンター三人娘の内緒事~強化魔法?そんなの知らないんだけどっ  作者: あんそに
第一章 ~ トレジャーハンターの日々 ~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/45

見えない不思議と、不気味な声

「あぁ、疲れた…トロール相手に、よく生きて帰れたわ。」


そう口にした瞬間、

右肩に浮かぶ球体が、微かに熱を持った。


「アンジュ…疲れたって言うが、トロールをずっと引いて帰ってきたのは、あたしだぞ。」


「まぁまぁエタルナちゃん。トロール高く売れたから良いじゃないの!1万レアよ!1万!」

商売人の娘であるユミエルが興奮しながら話す。


「そんなに貰えたのなら、久しぶりに美味しい物を食べたいところだ。」


「無駄遣いはダメ、貯金よ、貯金!」


「エタルナの意見に賛成〜。

トロールを倒したのは私。

だから私の意見が最優先って事で!」


「ぐぬぬ。仕方ないわねぇ…でも、高級店はダメよ。」


よし、栄養摂取、確定!


「…高級店って、どんなところだ?

あたしの産まれた村は田舎だったから…高級店なんて無かった。」

エタルナが遠い村の出身だった事を思い出す。


「昔、お父さんが功績を上げた時のお祝いに行ったくらい…」


「アンジュちゃんのお父さんって、有名人だったからね。」

ユミエルの言うように私のお父さんは有名なトレジャーハンターだった。


今は…もう居ないけど。



……その時。


《――――》


「……今、何か言った?」

「何も?」


一瞬、不思議な感覚を覚える。



「かんぱーい!」

「おつかれさまー。」

「うっす。」


「でさー、伝説の宝具って、本当にあるの?」

早速、ユミエルが聞く。


お父さんから聞いた宝具…それを探し出すのが私の当面の目標。

だから……

「あるわ! 絶対に!」


それを否定されるのは、

お父さんまで否定される気がして、嫌だった。


「アンジュちゃん、声、大きいって。」

「わ、悪かったわね…まぁ、少し落ち着きましょ。」


「あたしもユミエルも落ち着いている。落ち着くのはアンジュ。」


「……。」


「で、どういう物かは分かったのか?」

「うーん…それが分からないのよ。」


「形は?」

「色は?」


「それも…分からないの。」


…沈黙


「そんなの、情報としてはゼロなんじゃない?」


そうだけど…お父さんが、嘘なんてつく筈がない。

言い返したいけど、反論できずにいる。


「お金は地道に稼ぐしか無いって事…」

諦めたかのようにエタルナが言う。


いつか見つけて、この2人にギャフンと言わせてやる。

その想像で思わず口元が緩む。


「何?顔がニヤけてるよ、アンジュちゃん。」

「やはり、トロールとの戦闘で頭を打ったんじゃないのか?」


「ちょっと…思い出し笑いしちゃっただけよ。」


「ところでアンジュ、光る球体というのは、まだ見えるのか?」

「え?あるじゃない…ここに。」

球体がある右肩を指差すと、エタルナの顔が引きつった。


「すみませーん、焼き鳥串3人前追加で!」

「あと…そこに光る球って見えます?」


「ん?光る球?お嬢さん、何を言っているんだ?」


…ですよね。 


「もう、分かったわ。」

この球体は他の人には見えないって事ね。

…謎すぎ。


じわりと熱を増す球体。

何かに反応しているのかな?


「分かったなら、明日、治療院に行って来なさい。」


「…嫌よ。」

「あー、アンジュちゃんったら怖いのね。」


「怖くなんて無いわよ!」

2人からの冷たい視線に耐えられず、明日は治療院に行く事にした。


「じゃぁ、明日はウチら2人でギルドの掲示板を見てくるわね。」

「うん、頼んだ。」


毎日、ギルドの掲示板を見ている。

だけど、報酬が高いのはモンスター討伐の依頼だけ。


モンスターを倒せば良いじゃないかって?

無理無理、私はこう見えても弱いのよ。


強かったのはお父さんで、残念ながら私には遺伝しなかったわ。


って、球体に言われた気がして返事したけど…

やっぱり、相変わらず無反応ね。


「おじさーん、ビールおかわり〜♫」

まぁ、いいわ!今日は無礼講よ。


ビールを持ってきた店員さんが言う。

「そういえば、最近、新しいダンジョンが発見されたらしいな?」


その瞬間…


右肩に浮かぶ球体が、揺らめいた。


《答え…見つかる。》

―――そこに。


え?


――でも、その声は。

どこか“喜んでいる”ようにも聞こえた。


この声が、

私の味方なのか。

それとも――。


ユミエルの声で我に返る。


「おじさん…ダンジョンにはモンスターが居るのよ。」

「それは…当たり前じゃないのか?」


「ダンジョンなんかには、行かない方が良い。」

「あぁ、怖いのか…。君たち、本当にトレジャーハンターなのか?」

エタルナの顔色を見た店員さんは呆れたように言った。


「い、今はまだ修行中なのよ!あと1年もすれば、もうバリバリよ!伝説になる勢いよ!」

「そ、そうなのか…期待しているよ。」

店員さんは笑いながら立ち去った。


行きたくない。

絶対に。


なのに…


右肩の温もりは消えなかった。


それはまるで、

『選ぶのは、あなた。

——進むか、逃げるか。』

そう“急かされている”よう。


…私は、まだ答えを出せなかった。

~~~~~~~


読んでいただきありがとうございます!

ブックマーク、いいね、⭐︎評価お願いします!


誤字・脱字等、ありましたら、是非ご指摘くださいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ