砂漠の町と、不安の払拭
森を抜けると、砂漠地帯が広がっていた。
遮られていた太陽は、ここぞとばかりに強い光を注ぐ。
「…歩きにくい。」
「こっちの方向で合ってる?」
「合ってる……多分。」
ギンガムさんから貰った地図を指差しながら、三人で確認し合う。
前方から、馬を連れた人が歩いてくるのが見えた。
近づく…荷物は少ないから商人じゃないか。
旅人かな?
「スミマセン…水を分けて貰えませんか?」
旅人の言葉を受け、ユミエルは杖を前へと向けた。
「ウォーター…」
差し出された水筒から水が溢れる出す。
「あの…ピラミッドがある町に行きたいのですが、ご存知ですか?」
お礼を告られた旅人に聞くと、私達が進むべき方向を示してくれた。
お互いに感謝し合う。
ひたすら歩く…
水には困らないが…暑い。
ユミエルは、魔法の杖を太陽へと向ける。
杖に取り付けられた宝石部分は、深い緑色となっている。
「あの辺りの砂…変だ。動いている。」
エタルナが示す場所をじっと見る。
「あれは…ジオスコーピオン!]
特徴的な尻尾が光るのが見えた。
砂の中から赤色の体が飛び出す。
「サンダーボルト!」
すかさずユミエルが魔法を放つ。
バリバリッ!
登場して早々、ジオスコーピオンは倒れた。
「おぉぉ、ナイスユミエル!」
「太陽の光で、杖の威力もバッチリよ!」
両手を腰に置き、太陽に向かって笑うユミエル。
調子に乗りやすい事を忘れていた…
褒めすぎないように、気をつけよ。
遠くに木々が、そびえ立つのが見えた。
砂漠に木々?
これが噂に聞く蜃気楼かと、顔を見合わせあった。
木々の中には…町があった。
砂漠の中、
何故かこの町だけが木々に囲まれている。
中心には池までが存在した。
その水面は光輝いていて、美しい。
「うわぁ〜、あれがピラミッドかー。」
「凄い大きいんだな。」
二人が感嘆の声を上げる。
遠くを見上げる形になる、そのピラミッドは…
池に隣接して建てられていた。
「さて、ピラミッドの情報を聞いて回ろう。」
腹ごしらえにと、焼き魚を食べながら。相談する。
砂漠の町の名物が魚とは…驚き。
「あの…店員さん。」
「あのピラミッドに眠る宝具の事はご存知ですか?」
店員さんはニコやかに話をしてくれた。
「君たち、トレジャーハンターか。」
「宝具は、昔、この町を治めていた王の宝だよ。」
「王の宝…ですか。」
…その言葉に胸が高鳴る。
「今は王族の血は途絶えちゃってるから、詳しくは分からないけどね。」
「この町に伝わる昔歌に、『ピラミッドの奥に眠る王の宝』という文言が出てくるのさ。」
「どんな宝かは分かっていないのですか?」
…もしかして、お父さんから聞いていた宝具かも?
「どんな宝なのかは分かっていないよ。」
「何人ものトレジャーハンターが挑んだけど、未だに発見報告は無いんだ。」
…何年も見つかっていない宝。
それを見つけ出せれば、トレジャーハンターとしての株も上がる。
でも…私達三人が、そんな宝を見つける事が出来るのかな。
そんな不安もあった。
ピラミッドの前に立つ。
「中はトラップが多い上にモンスターもいる。気をつけろ…」
入り口付近にテントを立て、道具屋をしている主人の注意喚起。
ダンジョンだもんね…
大きく深呼吸。
目を閉じ…
武闘大会でのダグラスさんの剣の間合いを思い返す。
右肩の球体は…ただ重く、沈黙を守っている。
「ユミエル、準備はいい?」
彼女はアーティファクトの緑色の濃さを確認するように杖を撫でた。
「うん、ミランダさんに言われたように…ここで自分を磨く。」
その言葉は強く…その中にも優しさがあった。
「エタルナ、準備はいい?」
彼女は、震えていた…
が、盾と槍をギュッと握り…その震えを止めた。
「うん、ザンブルグさんの指導、今こそ役に立てる。」
「そして…弱い心に打ち勝つ。」
ピラミッド…
その暗闇に吸い込んまれるようにして、三人は足を踏み込んだ。
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