倒れた仲間と、示される道
視点:エタルナ
「二人共…大丈夫だろうか…」
バジリスク戦を終えて村へと戻った。
熱に浮かされながら、アンジュは何度もあたしの名前を呼んでいる。
アンジュを攻撃してしまった。
バーサーカー化して意識が無かったとはいえ…
ユミエルは意識はあるものの脱力感が凄いらしく、動けない状態。
「何なんだ?コイツらは?」
ギンガムさんが、ため息交じりに続ける。
「剣士の恐ろしい程のスピードとパワー。」
「魔法使いは、王立軍並みの上級魔法の使い手。」
「お前さんは、バーサーカー。」
「一体、どういうパーティーなんだ?おかしいだろ。」
困った…理由を答えられない。
アンジュは球体の力?
…本人はそう言っているが正直、説明など出来ない。
ユミエルはアーティファクトの力。
黙って家から持ち出した魔法の杖の事などバラせない。
「二人共…おかしい。」
「お前さんもな…」
「で、分かったか?バーサーカー状態をコントロールする心は?」
「心?」
「そうだ…バーサーカー状態を制御するには強い心が必要だ。」
「戦闘中に伝えただろうが。」
強い心…それは自分の一番駄目な部分。
「…絶対に無理。」
深く考えなくても分かる…せっかく情報に辿り着いたのに…
体は正直に身を震わせた。
「バカヤロー!」
ギンガムさんの声が部屋内に響いた。
「また仲間を傷つけるつもりか?」
二人の顔を見る。
アンジュは額から汗を流し…
ユミエルは青白い顔をしていた。
「傷つけたく…無い。」
「あたしは…二人を助けたい。」
「そうだ…それが答えだ。」
「へ?」
ギンガムさんの言葉に動揺を隠せない。
「どういう…意味?」
「お前には克服する手段がある。」
「それは、仲間の存在。」
仲間の存在?
心の中で繰り返す。
「仲間を信じる心…それが…」
「お前の心を育てる。」
「お前の心を強くする。」
「試練に打ち勝った時、
きっとバーサーカー化はコントロール出来る筈だ。」
「仲間…」
ギンガムさんの言葉を重ねる。
「そうだ。一人で折れない心じゃない。」
「折れそうになった時、誰かを思い出せる心だ。」
あたしはぐっと拳に力を込めた。
夕方になると、アンジュとユミエルの体調は戻った。
二人はゆっくりと立ち上がる。
アンジュはまだ体の痛みを気にしているようだ。
ユミエルは輝きを失った杖を見つめた。
「これが、バジリスクの宝具だ。」
ギンガムが、巣から見つけた宝具を机の上に乗せた。
それは…
七色に輝く不思議な石だった。
「これは…伝説級の宝具ですか?」
アンジュが尋ねる。
お父さんが言っていた宝具か知りたいのだろう。
「いや…伝説級という程の物では無い。」
「高く売れるがな。」
アンジュは肩を落とす。
「これは…授業料として、貰っておく。」
「えーーー!」
あたし達、三人の声が揃った。
「この石は若返りの薬に使う物だ。
お前さんらには関係無いだろ。」
確かに…持っていても仕方のない代物だ。
「それより…」
そう言いながら、ギンガムさんは地図を広げた。
「ここからさらに西に向かった所にあるこの辺り。」
「ここにあるダンジョンに伝説の宝具があると聞く。」
示された地図の上には三角形が書かれていた。
「ピラミッド型のダンジョンだ。」
「お前さんが探している宝具かも知れない。」
「行ってみるがいい。」
その内部は隠し通路などがあり、未だ謎が解明されていない。
アンジュが探していた宝具かも知れない。
私は二人の背中を見ながら、
もう一度、拳を握った。
さっきまでの震えは止まっている。
私達三人は、ふたたび歩き始める。
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