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トレジャーハンター三人娘の内緒事~強化魔法?そんなの知らないんだけどっ  作者: あんそに
第二章 〜 三人娘の進む道 〜

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怪しい男と、教えの対価

昨日の戦闘での疲れを引きずったまま、

森の中を歩く。


ユミエルは、時々、

アーティファクトの杖を空へと向けていた。

木漏れ日を集め、魔力を溜めようとしているようだ。


エタルナは、口数が少ない。

いつも、少なめだけど、

昨日、また暴走してしまった事を考えているのだろう。


それでも…前に進まないとならない。

答えに辿り着く為に…


少し開けた場所に小屋を見つけた。


カーン!

カーン!


静けさの中に音が鳴り響く。


怪しい風貌の男が薪を割っていた。

木の皮?で作られたような服。


自分が知らない服装…

それだけで怪しいとするのは失礼な事かも。


「アンジュちゃん、どうする?」

「食料を買えないか聞いてみようよ。」


ちょっと怖い思いはあった。

けれども…

私達は思い切って声をかけてみる事にした。


「すみません…」


ギロリと睨まれる。


身長は低めで、ガッチリとした体格。

その体から発せられる声は低いものだった。


「お前達…昨夜の奴らか。」


昨日の…??


「森を荒らすな…」


ハッと、

昨日の戦闘が脳裏に浮かぶ。


「スミマセン…コボルトに襲われてしまい…」

森を荒らす…という表現はよく分からなかった。

けど、この森の住人である、この男の人に迷惑をかけてしまったようだ。


「あんな所にキャンプを張るからだ。」


「スミマセン…」

再度、謝罪の言葉を口にする。


「あの、おじさんは、ここで何をしているの?」

ユミエルが尋ねた。

嫌な空気となっていたので、助かる。


「俺はただの木こりだ。」


「木を育て、木を切り…」

「木を町に売る。」


「ただそれを繰り返すだけの仕事。」


「それより…そこの女。」

「バーサーカー状態をコントロール出来ないのか?」


エタルナが驚いた顔をする。


この男は…昨日の私達の戦闘を見ていたんだ。

そして、エタルナの暴走も見たに違いない。


「もしかして…ギンガムさん?」

エタルナが口にする。


「違う…何だギンガムを知っているのか?」

木こりの男が答えた。


「名前を教えて貰っただけ。」


「そうか…アイツの事はよく知っている。」


「紹介してください。」


木こりの男は、

少し考えるように木々を見つめた。


「そうだな…たまには帰るか…」

「よし、連れて行ってやろう。」


私達はお礼を伝える。

何日も歩いてきて、やっと辿り着いた情報。


この人にすがるしか無い。


「ギンガムさんが、バーサーカーというのは本当?」

エタルナが木こりに聞く。


「あー、本当の話だ。」

「そして、アイツはバーサーカー化を自在に操っている。」


エタルナの頬が一気に緩まった。

私とユミエルも微笑みあう。


目的地は森の奥の村。


そこに辿り着いた時には、すでに暗くなりかけていた。


「おい、ギンガムは居るか?」

村に着くなり、木こりの男が、出入り口に居た女性に声をかけた。


「知らないわ…いつもの所じゃないの?」

冷たくあしらわれる様子だったけど、

木こりは気にもしない様子だった。


一軒の酒場へと入る。

焦げた肉の匂いと、強い酒の香りが鼻を突いた。


木こりは酒を飲んでいる男に声をかけた。


「おぅ、ギンガム…客人だ。」


「んー?」

ゆっくりと私達を見る。

が…


「知らんな。」


そう言うと、ふたたび酒をあおる。


「わざわざ、こんな所まで来たんだ。」

「話くらい聞いてやれ。」


木こりは、そう伝えると、

用事があるとの事で出て行ってしまった。


「あの…あたし…バーサーカーなんだ。」

「コントロールの仕方を教えて欲しい。」


そう言うと、ギンガムは立ち上がった。


先程の木こりと同じような背丈。

そして、体格…

ギョロリとした目…


ほんと、似ていた。


「そうか…まぁ、座れ。」


ギンガムさんに言われ、四角いテーブルに座る。


「何か注文をしろ…」


言われた通り…酒場の女性に注文をする。


「ふぅ〜。」


ギンガムは大きく息を吐いた。


「で…何を出せる?」


「え?」

思わず、おかしな声が出てしまう。


「俺はバーサーカーの力を自在に使える。」

「その方法を聞きたいんだろ?」


「はい…でも、私達あまりお金は…」

そう伝えると、

エタルナがうつむいた。


「そんな事は身なりをみたら分かる。」

「金で何でも解決しようと考えるな。」


「もしかして…ウチの体?」

ユミエル…


「10年後に言え…」

ギンガムは呆れたように返した。


「私達…ギンガムさんが喜びそうな物なんて何も…」


「お前達の大事な物は何だ?」


大事な物?

そう言われても…価値のある物と言えば、

ユミエルが持つアーティファクトの杖。


でも…これは渡せないし、

ギンガムさんには必要の無い物だと思う。


「ん?…お前…何か不思議な雰囲気があるな。」


「え?私ですか?」


右肩の球体がじわりと熱くなる。


もしかして…この球体の事に気づいた?

でも、ギンガムさんの目線からして違うような…


「あ…」

私は、そっと…大事にしていた物を取り出した。


「何だ?この丸いのは?」

ギンガムさんは不思議そうに私の手の中の物をジッと見る。


「武闘大会の時、子供達から貰ったメダルです。」


「ぷっ!」

ギンガムは大声で笑いだした。


「はー、はっはー。」

「そんな物、いるかよ。」


こんなに笑われるとは思わなかった。

私にとっては素敵な物なのに…


「まぁ、いい…気に入った。」

「向こうの山に強いモンスターが出る。」

「明日、一緒に討伐に行くぞ。」


え?強いモンスターを討伐!?


「何も出せないなら手伝え。」

「ただし…死にたくなけりゃ、覚悟が必要だ。」


もう…不安しか無い。

けれど――

ここで引き返す選択肢は、もう無かった。

~~~~~~~


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