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トレジャーハンター三人娘の内緒事~強化魔法?そんなの知らないんだけどっ  作者: あんそに
第一章 ~ トレジャーハンターの日々 ~

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雨の中と、盾の役割

「うわぁ〜、また降ってきた!」

「ちょっと…強いわね。」

天候が悪い地域とは聞いていたけど、これほどまでとは…


「あそこに洞窟があるぞ!行こう!」

エタルナの声で、雨宿りには最適の洞窟に逃げ込んだ。


右も左も崖に挟まれたこの地。

雨が多い事で知られている。


「ふー、やっと止んだと思ったのにねー。」


今回の依頼は、この湿地帯にしか存在しない"苔"の採取。

報酬が良い捜索系の依頼は、何かしらの苦労がつきまとう。


「ダメだな…全然止みそうにない。」

「ちょっと、小降りになったんじゃない?」


「時間が惜しいね…行っちゃおう。」

私達はフードを深く被ると、再び探索へと向かった。


「苔は所々にあるけど違うのよね?」

「そう、普通の緑色じゃなくて…"金色の苔"なんだって。」

金色の苔は薬の材料として使うらしい。

報酬が良いのもあるけど…

人の為になる訳だから、やる気も増すわ。


「ん?アレは…モンスター?」

前から兎型の動物が姿を現した。


「兎型のモンスターね、角が生えてる。」

えーっと1本の角が生えた兎型のモンスター…


「何とかラビット…名前、忘れちゃったわ。」

とにかく…角のある兎。


「えいっ!」

ラビットを倒す。

これは、球体の力が無くても問題ないわ。


この角、売れるかな?

と考えていたら。


…何匹も出てきた。


「ちょっと…多いね。」

「魔法…行きます!」

ユミエルの魔法が火を吹く。


一度に何匹も倒す。

楽勝ムード。


「あ、一匹、逃げちゃったわ。」

「ちょっと行って倒してくる。」

アンジュは木々の間をすり抜けて、逃げたラビットを追った。



※エタルナ視点※


「ユミエル…なんか、また増えてきた。」


「ほい、任せて!」

「サンダーストーム!」

全方位型の雷の魔法…これでモンスターを殲滅!


バリバリバリッ!


激しい雷が杖から放たれた。


が…


「あれ?倒れないぞ?」

「おかしいわね。」


ラビットの角が光る…まるで雷を蓄えたように。


じゃぁ…さっきの火魔法。

「ファイアーボール!」

地道に倒していくしか無いわね。



※アンジュ視点※


「居た居た…、えいっ!」

「まったく…ちょこまか逃げるなって!」

ラビットは…ヒョイと交わした。


右肩に浮遊する球体が熱を帯びる。


「大丈夫よ!」

「この相手なら支援が無くても倒せるわ。」

ザンブルグさんから受けた訓練で私も強くなっている筈!



※エタルナ視点※


「ちょっと…待って。」

「ユミエル、大丈夫!?」


「ヤバい…かも。」

「どうした?」


「魔法の杖…アーティファクトの力が、もう残り僅か!」

緑色の宝石部分が、だいぶ薄くなっている。

雨天で、太陽の光を補充出来ないのか…


「アンジュ!どこだー!」

叫んだ声は無情にも激しくなった雨音にてかき消された。


いつの間にか、ラビットの数が増えている。 


一匹のラビットが大きくジャンプ!

「ユミエル!」


バンッ!


盾でラビットの攻撃を防ぐ。

「エタルナちゃん、ありがとう!」


何か…強くなってない?

角が光ってから…ユミエルの雷魔法を吸収した?


その時…

…ラビットの群れは一斉にジャンプをしてきた!


「何!」


盾を構える…


激突の衝撃をまともに喰らわない。

ザンブルグさんの動きを思い出し、盾の角度をわずかにずらす。

滑るように受け流されたラビットたちが、空中で姿勢を崩す。


体を軸にして…盾で円を描くようにして。

何度も…何度も!


「うぉーーー!」

ラビット達のジャンプ攻撃がおさまった所で、

槍を振り回しての反撃へと転じた。


「エタルナちゃん…」

「…凄い。」


ユミエルは怯えるように、ひたすら杖を胸に抱いている。

その姿をただ…ひたすら守る事を考えた。 



※アンジュ視点※


「え?何?」

突然、一匹のラビットの角が光り始めた。


バリバリッ!


角から稲妻が発射される。


「くっ」

かろうじて稲妻を交わした。


稲妻を放ったラビットは…その場で倒れた。


「このモンスターの名前…サンダーラビット。」

お父さんの絵。

そして、話を思い出した。


何匹ものサンダーラビットが姿を現す。


そして…何本もの角が光を帯び始めた。


雨で溜まった水たまりが揺らめく。


バリバリバリッ!


電撃が目の前にまで迫った。


「マズイ!」


そう、思った瞬間…

目の前に大きな盾が現れた。


「エタルナ!」

放たれた電撃は、盾によって回避される。


「一気に行こう!」



「はぁ、はぁ、はぁ。」

サンダーラビットの群れを何とか倒す事が出来た。


「エタルナ…ありがとう。」

「ウチも…助けられた。」


見ると、エタルナの盾はひどく傷つき…

エタルナが少し怪我をしているのが分かった。


ユミエルと共に警戒する。


「大丈夫…自分の血には反応しない。バーサーカーにはならない。」


「とにかく…手当を。」

「盾…傷ついちゃったね。」


「あぁ…今のこの盾なら、ザンブルグさんも褒めてくれそうだ。」

そう呟くと…エタルナは急に震えだした。


「怖くなった?」


「さっきの戦闘を思い返したら…急に。」

「…強かったからね。」


「いや…それよりも。」

「もし二人が傷ついてしまっていたら。と考えたら…」

エタルナの体をそっと抱きしめる。


ユミエルは自分の杖をそっと抱きしめ…すっかり薄くなった緑の球を撫でた。


球体が…一瞬、温かさを増した。

試されている?何となく…そう感じた。

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