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超能奇譚 〜オーロラを見に行こう〜  作者: さしすせその化身
第1部 謎の組織編 第1章 覚醒の11月
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第14話 八木宗一郎その2

 八木さんは歩いている、道を歩いている。

「あいつが八木か…なんだか不潔だ…髪なんかフケまみれ…」

 おっさん警察が鼻を押さえながら言う。


「あ、コンビニ入りましたよ、出てきたら捕まえるんでしたよね?」

 そのまま3人は張り込んでいる。


 そして、その様子を上から眺めるのが


「この僕なんだよね」


 そう、この僕、アデノフだ。


「うーん…どうしようかなあ…このままじゃ……」


 ボブさん、タカンキさん、八木さんは同じチームで任務を共にする仲間だ。その全員が捕まるのはまずい。


 八木さんも能力を持っているが、弱すぎる…たしか時計の針を高速回転させるとかなんとか…


「ここは助けてあげるかあ…」


 彼は不潔で気持ちが悪いが、やむを得ず、助けることにした。


「てか、何? あの黄色いの」


 今いる叔父の家から出ようとすると、叔父さんが尋ねてきた。


「どこに行くんだい? さっきからずっと外を見て…せっかく来てくれたのに…ほれ、僕のコレクション部屋を見ないかい? 大英博物館にだってこれは置けない」


「いや〜、叔父さんの全部よく見ると贋作だし…じゃ、またクリスマスに〜」

「な、なんだとぉ…? 待てぇ!」


 無視して叔父の家を出た。


――


 女のコンビニ店員は不思議そうな顔をして尋ねてきた。

「………………ど、どうしました? あそこに何かあるんです?」


 八木は店員の態度にイラッとして叫んだ。


「わかるだろうがよぉ! 何指差してるのかくらいよお! チッ…」

 

 店員は困り果てた。

「え、その、できれば口頭で…」


「タバコだよタバコォ! 111番! 無能が!」


 そのまま殴り掛かろうというくらいの勢いで声を荒げた。


 すると裏の方から細マッチョのイケメンが出てきて八木を睨みながら言った。

「この子怖がってるんで、お客様は神様じゃないんで、それ続ける気ならお帰りください、ほらタバコ」


 八木はさっきの態度が嘘だったかのように気を小さくした。

「あ、すいません…」


 彼は、腹いせにトイレを占領することにした。


「くそがぁ…あの野郎…客にあんな態度ぉ…」


 そのまま20分くらい篭っているとドンドンとドアが鳴った。

「あの〜、まだ入りますかねえ?」


 機嫌が悪い八木は声を荒げた。

「あ!? うるせえ! 他人の腹に文句いってんじゃねえぞこのしょんべん小僧!」


 そういうとノックは止んだ、勝ち誇っているとドアの下の隙間から紙が入ってきた。


『お前は警察に追われている』


 この筆跡には見覚えがある。


 アデノフだ、後輩で年下のくせにタメ口なのが気に入らないが…なるほど…助けに来てくれたのか…。


 するとまた紙が入ってきた。


『しかし出なくても警察が入ってくるかもしれない』


 じゃ、じゃあどうすれば良いんだと叫びたいが、声は出さない方がいいだろうと思い黙った。


 するとまた紙と一緒にボールペンが入ってきた。


『僕にはお前を助ける策が思いつかない、お前がこの紙に考えを書いてくれ』


 困ったもんだ。彼は考えるのがすこぶる苦手なのである。


 しかし刑務所生活はごめんである。

 彼は脳みそをフル回転させて考えた。


 そうだ、これだ!


『俺の能力を使う、カメラはあるか? スマホのでもいい』


 八木の能力は「中国産の腕時計メイド・イン・チャイナ

 

 見た者が身につけている時計の役割をなすものの時間の流れを速くする。


 それは写真に写るものでも構わない。

 

 少ししてドアの下をくぐりスマホが入ってきた。


 画面に映るのは女と男と、なんだこの黄色いの?


 まあ、良いだろうと、八木は能力を発動した。


「俺の強さを……思い知らせてやるぜ……へっへっへ…」

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