表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された公爵令嬢は、実は世界一可愛い猫聖獣だった件 〜猫聖獣として世界を救います〜  作者: 風谷 華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/71

第43話 信仰との連携

癒しの家のオープンから数日後。

クラリスは黒猫セドを連れて、王都の中心にある猫神教会を訪れていた。


黄金の鈴が軒先で揺れ、信仰の象徴である黒猫の像が中央に鎮座している。

その厳かな空気に、クラリスは自然と背筋を伸ばしていた。


「ようこそ、クラリス様。猫神様の御名において歓迎いたします」

迎えに出たのは、教会長老のひとり――慈愛深い神官長のメルギスだった。



◆2.提案と迷い


信仰の間に通されると、クラリスは静かに頭を下げた。


「実は――癒しの家の運営について、ご相談があってまいりました」


クラリスは、無料施設として癒しの家を続けたいという思い、

そして財源不足や、信仰との距離が誤解を生んでいることを正直に語った。


「猫神様の教えは“癒しと調和”。

ならばその象徴である猫たちが、人の心を救う場として機能することは、

信仰と相反するものでしょうか?」


その問いに、神官たちが顔を見合わせる。

やがて、メルギスは静かに口を開いた。


「……神聖な猫に無差別に触れさせることに疑念の声もあります。

だが“癒し”を求める魂を導く場であるなら、我々としても看過できません」




クラリスは深く頷き、続けて提案した。


「癒しの家は、誰でも訪れられる場所ではあります。

ですが教会が“信仰と心の状態を見極めたうえで”人を紹介することで、

神聖さと秩序の両立が可能になります」


この提案に、神官たちはざわめき始めた。

“信仰を通じて癒しを与える”という形は、まさに猫神教の理念と重なる。


さらにクラリスは続ける。


「そして、財源についても――

癒しの家を“教会の加護のもとにある場”とし、

ご寄付をいただく形にできれば、持続可能になります」




会議の末、メルギスはクラリスの手を取り、穏やかに笑った。


「クラリス様――あなたの真摯な姿勢に、猫神様もきっとお応えになるでしょう。

教会として、癒しの家への支援を約束します」


神官たちも次々と同意の意を表し、

癒しの家はついに“信仰と共に歩む場所”として生まれ変わることとなった。





その日の夜、クラリスは癒しの家に戻り、レオンに報告した。


「教会が協力してくれることになったの。寄付も、信仰の紹介も」


驚きながらも、レオンは優しく微笑んだ。


「君は…本当にすごいな。信仰も、民の心も…どちらも大切にしてる」


クラリスは微笑み返し、月明かりの下でそっと呟いた。


「神様の加護と、人の心。

どちらかだけじゃなくて、両方が揃って初めて、未来が見える気がするの」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ