異世界×泣ける×バトル×恋愛×学園×AI×最後に全部嘘
「悠斗、ついに完成した……“SEO最強タイトル”」
「…………なんか、読んだだけで頭が痛いんだけど」
「これ見ろ、トレンドワードを全部入れた。異世界、泣ける、バトル、恋愛、学園、AI、そして“最後に全部嘘”でミステリー要素も追加だ」
「一つも物語の内容に合ってないじゃん!!」
「関係ない。**検索されたら勝ち。**タイトルは“読まれるための釣り針”なんだ」
「じゃあ内容は……?」
「普通に、近未来の高校で男子高校生がAIの授業中に寝て異世界に飛ばされて、そこで恋してバトって死ぬ」
「もうツッコミが追いつかないんだけど」
◆冒頭文(SEO対応版)◆
これは、AIが支配する近未来の学園で、泣けるほど弱かった少年が、異世界でバトルを繰り広げ、恋をして、最後に全てが嘘だったことを知るまでの物語――
「……どうしてここまで入れ込めるんだよ」
「SEO対策だ。“AI×学園×泣ける”の段階で読者のクリック率が3.6倍になるってデータがある」
「どこ情報だよ」
「俺の脳内AIが教えてくれた」
「信じられるわけないだろ」
◆ラストシーン◆
「俺は……この異世界で、やっと自分を見つけたんだ……」
そう言って、少年は光の中に消えた。
……と、AIによって生成された夢の中で、彼は見た。
「なんだよ、全部、嘘かよ」
――これは“フィクション”として設計された“物語風コンテンツ”でした。
ご視聴、ありがとうございました。
「最後に“夢オチ”+“作り物でした”って二重にぶん殴る構成、どう?」
「もはや読者にケンカ売ってるレベルなんだけど」
「その怒りが“コメント”になってPVになる」
「ほんとにお前、創作を数字に換算するの好きだな」
◆公開後コメント欄◆
「タグ詐欺なのに勢いで読まされた」
「AIって書いてあったけどAI関係なかった」
「泣けるって書いてたから読んだけど、鼻水すら出なかった」
「タイトルが一番面白かった」
「これでわかったろ、悠斗。“読まれる物語”に必要なのは、最初のクリックなんだ」
「じゃあ、内容は?」
「クリックされてから考える」
「終わってんな……」




