AI原稿プロジェクト:Project GHOST
「悠斗、もう書かなくていいぞ」
「……は?」
「書かなくていい。AIが書くから」
「いやいやいや、俺、小説家なんだけど?」
「だからこそだ。小説家は“書く”んじゃない。“監修する”んだ」
「それ、編集者の仕事じゃね?」
奧昌が見せてきたのは、AI小説生成ツールの画面。
「ジャンル、キャラ、展開、全部入力すれば、10分で1話分出てくる」
「……それ、俺の存在意義が消えるやつじゃん」
「違う。“AIに書かせた”じゃない。“AIと共に創った”だ。共著。コラボ。令和の創作スタイル」
「言い方だけはうまいな……」
◇◇
AI原稿(試作)
『異世界転生したら、俺だけスキルが“無限編集”だった件』
「この世界…バグってる!?」目覚めたら、そこはゲーム異世界。俺のスキルは編集……!?敵のステータスも、アイテムの効果も、全部書き換え可能——。「これ、最強じゃね?」だが、編集できない運命だけは、変えられなかった――。
◇◇
「……うわ、なんかそれっぽい」
「だろ?これを“監修:星乃悠斗”で出せば、PV爆上がり間違いなし」
「……でも、これってズルじゃないか?」
「ズルじゃない。“時代に乗っただけ”だ」
公開後…
* 「設定が斬新で面白い!」
* 「失礼ですが、こちらはAIを用いて作成された作品ですか?」
* 「AIっぽいけど、逆にクセになる」
「……なんか、複雑な気持ちだな」
「いいんだよ。“創作とは、誰が書いたかじゃない。誰が読んだかだ”」
「お前、今日の名言、ちょっと重いな……」
後日、大炎上し、AIが書いた話は全て消えることになった。そしてアネゴに殺されかけた。でしょうね。




