4話
さて、まずはこの村での生活をどうするか。アイリスの記憶によると、フローレ村は農業と狩猟で成り立つ小さなコミュニティ。貴族のゴタゴタとは無縁だけど、最近は魔獣が森に出没して、村人たちが困ってるらしい。…ん? 魔獣? 私の【星輝の支配者】なら、魔法でバッチリ解決できるんじゃない? 村人に恩を売れば、アイリスの悪評も払拭できるかも!
早速、村の広場に向かってみる。広場では、農夫のおじさんや子供たちが集まって、何やら話し合ってる。近づくと、「また魔獣が畑を荒らしたんだ…このままじゃ作物が全滅だよ!」って声が聞こえる。よし、ここでアイリス、いや、アイリちゃんの出番!
「ねえ、みなさん! その魔獣、私が退治してあげるよ!」
思わず元気な声で叫んじゃった。村人たちが一斉にこっちを見る。…うわ、めっちゃ疑いの目! 「あんた、アイリス様だろ? 貴族のお嬢さんが何だって?」って声が。うっ、アイリスの悪評、ほんとに根深いな…。
「うん、確かに私はアイリス・フォン・エルディア。でも、過去のことは水に流して! 私の魔法で、魔獣をやっつけて、村を守ってみせるから!」
ちょっとVtuberモードのテンションで、キラキラ笑顔を振りまいてみる。村人たちはポカンとしてるけど、年配のおばあさんが「まぁ、試してみるだけなら…」と渋々うなずいてくれた。
さっそく、村人たちに案内されて森の奥へ。そこには、でっかい狼みたいな魔獣がウロウロしてる。めっちゃ怖い! でも、ステータス画面によると、私のスキル【星輝の支配者】は全属性魔法を扱える。試しに、ゲーム実況でよくやってた「ファイアボール」的な魔法をイメージしてみる。
「えっと、炎の魔法、発動!」
手を前にかざすと、指先からキラキラした光が集まり、ドカーン! めっちゃ派手な炎の球が魔獣に直撃! 一撃で魔獣が倒れて、煙になって消えた。…え、強すぎ!? これが最強ランクのスキルってやつ!?
村人たちが「す、すげえ…」「あのアイリス様が…!」とザワザワしてる。よし、チャンス! 「ね、みんな! これからこの村で暮らすんだから、仲良くしてね! 魔獣が出たら、いつでも私がやっつけるよ!」
私のキラキラ笑顔と、ちょっとオーバーなVtuberトークが効いたのか、子供たちが「アイリス様、かっこいい!」と手を振ってくれる。おじさんたちも「まぁ、悪い子じゃなさそうだな…」と笑顔を見せてくれた。
その夜、村の広場で小さな歓迎会が開かれた。焚き火を囲んで、村人たちが作ったスープやパンをおいしく食べながら、みんなと話す。アイリスの過去を詮索する人もいたけど、「これからの私を見ててよ!」と笑顔でかわす。なんだか、配信でファンとチャットしてるみたいで、懐かしい気持ちになる。
寝る前、星の髪飾りを手に持って、窓から見える満天の星空を眺める。
「アイリス、星乃アイリとして、私、絶対この世界で輝いてみせるから! スローライフも、冒険も、全部楽しんじゃうよ!」
こうして、異世界での新たな人生が、キラキラと始まったのだった。




