『あとがき』
「あとがき、書こうや」
ネカフェで作業していたら不意に話しかけられ、ビクッとする。振り返ると、奥昌がイタズラに成功したみたいな顔で、ニヤけていた。
「これまた急に……あとがき?小説投稿サイトにそんなの書いてるやつ俺の知る限りいないぞ?」
「アフターストーリーこんなに書いてるやつもそもそもいないだろ。諦めろ」
「確かに…」
投稿数が多ければ人は見てくれるし、最後まで読まれた時のPVも多くなる。当たり前だが、その当たり前を最大限に活かすため、1話1話がめちゃくちゃ短いASを数十話も書いていた。
「それに、アフターストーリーで話数稼ぐのも限界だろ?あとがきで話数稼ごうぜ。ま、とりま書いてみろ」
言われたままに打ち込んでみる。書く内容が無さすぎてかなり薄くなったが、限界まで伸ばしたつもりだ。
◇◇
初めまして、ムポゥ神父と申します。『【【コミカライズ】【書籍化】【ゲーム化】したいな】左遷された悪役令嬢、前世がvtuberだったので田舎でスローライフします〜婚約破棄×パーティ追放×左遷ですが、めげずにざまぁします〜』をお読みいただき、心より感謝申し上げます。拙い部分も多々あったかと思いますが、ご愛読ありがとうございました。次回作もどうぞご期待ください。
タイトルが少し詰め込みすぎた感は否めませんが、読者の皆様はどのように感じましたでしょうか? コメント欄などでご意見をいただければ幸いです。
本当にありがとうございました!
本作執筆で最も印象に残ったのは、文章を書く過程でさまざまな経験を積めたことです。未熟な点も多かったですが、皆様の応援のおかげで最後まで書き切ることができました。
Vtuberについては詳しくないため、世間で言う「解釈違い」があったかもしれませんが、どうか大目に見ていただければ幸いです。
本作を書いたきっかけは、親友の助言でした。詳細はまた別の機会にお話しするかもしれませんが、彼の支えがなければ50話を達成できなかったと言っても過言ではありません。この場を借りて、深く感謝申し上げます。
◇◇
「やっぱりタイトル舐め腐ってるだろ……」
「いいんだよ。【コミカライズ】とか書かれてたら面白そうってなるだろ?人間なんて所詮"周りの評価に左右される生き物"だしな」
「普通に【したいな】とか書かれてたら激萎えだろ」
「逆に興味湧くかもしれんじゃん。差別化を図っていかないとな。そんなことよりこれ、3分割するか」
いつもの無茶振りだが、流石に今回は看過できない。
3分割なんてしたら1話の最低文字数を大幅に下回る。
「『本作』の後ろにタイトルいれるだけで70文字稼げるんだぜ。一人称は私じゃなくて、『わたくしめ』か『わがはいどの』にしよう。経験はエクスペリエンス、機会はオポチュニティでもう3話分にはなるだろ」
それから二人はアイディアを出し合って、あとがきが完成した。