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追憶のルーファス 真①
これから2日ごとに投稿していきます。
警報が鳴り響く。こんなことは初めてだ——だけど、この組織『シュレディンガーの猫』なら不測の事態だとしてもすぐに解決するだろう。そうおもっていたのだが。
『侵入者が研究棟に侵入しました。速やかに避難をお願いします』
意外にも侵入者は手強いらしい。ルーファスは研究員に手を引かれて研究棟を後にする。
しかし——どうやら手遅れだったようだ。
「返せ……」
侵入者は何やら呟いているが、すぐに戦闘員が駆けつけて、その刃を振るう。
「俺の息子を返せッ!【反射盾】」
確かに侵入者の首を刈り取ったかのように思った戦闘員だったが、戦闘員が振るったものと全く同じ太刀筋で首に赤い筋が入り、戦闘員は崩れ落ちた。
侵入者は人間である。本能でそれが分かったルーファスは、侵入者を倒すことにした。——組織に認められ、『外の世界』に出るために。




