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復活のL
「こんなことになるとはな」
ユウトはこれまでの自分の軌跡を振り返る。スライムしか倒せない俺が、なんだかんだで強くなって、魔王を倒す勇者に任命されて——裏切りを経て今は魔王を復活させようとしている。
ルーファスが知ったら何と思うだろう——よもや、勇者パーティ3人のうち勇者含む二人が魔王側だとは。運命とは数奇なものだ。無疆の絆。それが俺たちを結びつけ離さなかった。
だが、悪いとは思わないーー正義なんてのは元から曖昧なものであり、今ルーファスが立ちはだかったとしても容赦なく殺せる——つもりだ。
「ユウト……?マーサと、何をしている?」
……このフラグだけは回収したくなかったが。
俺は静かにルーファスに剣を向けた。




