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"雨"

 いつもそうだ。どういうメカニズムかは知らないが、アレが起こる時は必ず雨が降る。折りたたまれて存在している多次元構造がどういうわけかそれをもたらしている。


 雨が降った。そして、その他諸々の条件も揃いすぎていた。クレーターだらけの地面は微かに木の匂いがするタイルに変わった。

 

 ——簡潔に言うと、図書館が現れたのだ。


『金科玉条 : 状況理解』


独力達成確率が低い規則を守らせるための、副次効果による能力向上。その分代償は大きいが、条件設定を一つもしないことで軽減。


カラビヤウ多様体が舞い、折りたたまれた十次元構造が解る。情報の渦に瞬きすら出来ない俺とマーサを誘うように扉が開いた。


司書のように受付に座っていたキノコを視て。キノコが、歪に笑ったような気がした。


「っ——」


刹那——否、六徳(りっとく)天賦停止が遅れていれば死んでいた。人の身でソレを領るにはあまりにも違いすぎた。


「ユウトっ!」


叫んだのはルーファスだった。傷ひとつないばかりか、鎧まで新品同然の状態になっている。ニセモノの可能性は疑わなかった。何故なら俺たちは——。盗難事件の推理も全くの茶番だったわけだが、呑気に種明かししている場合でもない。



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