ボクとアヤカシ
僕と彼女はSNSで出会った。
頬に小さな黒子がある彼女のハンドルネームは、06mm。僕は彼女をロクミちゃんと呼んでいた。
彼女との心理的な距離は徐々に縮まって行き、いつしか会いたくなってきた。
だけど、彼女はいつも断っていた。
僕はどうしても会いたくて、何度も何度もお願いした。
そしたら、ある条件を僕に差し出した。
それは
・何があっても私を愛すこと
・カフェや、街並みじゃなくて私の家で会うこと
この2つだった。
僕はもともと彼女を愛していたし、一つ目の条件は容易かった。
2つ目の条件は、緊張した。いきなりの出会いが彼女の自宅なんて・・・。
しかも、彼女曰く、自宅は山奥にあるらしい。
「嫌なら良いのよ」
スカイプのビデオ通話の際に僕に聞いた。
「いや、僕は、君に会いたい」
僕は彼女に頭を下げた。
正直彼女がメンタルヘルスでも良かった、こんな美人に依存されることが長年の夢だったし、彼女以外の女を愛せる気がしなかった。
そして何より彼女と僕はネット上で「付き合ってる」んだ。
実際に顔を見たいし、そのまま関係をリアルに持っていけたら最高だ。
「行くよ、住所を教えて」
そして、5月15日、有給休暇が取れた僕は彼女に会いにいった。
僕は新幹線とバスを乗り継いでその付近まで来た。
僕は免許を持っていなかったため、ひたすら目的地まで歩いた。
彼女は福井県大野市のとある山に住んでいるらしい。彼女から送られてきたGoogle mapの位置情報データを頼りに山道を歩く。
誰もいないような小さな山、階段もなく、誰かが歩いた形跡もないようなこの山にそもそも、人が住めるのだろうか心配になってきた。
道中何度も蚊に刺されたり崖に落ちそうになったり、蛇に噛まれそうになったりと大変な思いをした。
もしかして僕はロクミに騙されたのだろうか、しかし目標の地に行くまではわからない。それに僕は彼女を信じてるんだ。
途中電波が届かなくなった。
「畜生!」
辺りは暗くなり、心細くなってきた。
午前3時ごろ彼女の住んでいると思われる、ボロボロの民家にたどり着いた。
築50年ほどのそのオンボロ宿は、木造建築で、様々な部分に苔が生え、人が住んでいるとは思えなかった。
「取り敢えず」
僕はノックをした。
彼女は戸を開けた。
「ロクミ・・・俺だよ」
何度も転んでボロボロになった僕をロクミは見つめた。
「もしかして」
彼女は僕の胸に飛び込んできた。
僕は美しい彼女に深い接吻をした。
舌と舌の交差はまさに幸福のひと時。
苦しかった時が長かった分、キスの味がとても芳醇であった。
そして、勢いのまま、和室の4畳半の部屋の布団の上で僕は脱ぎ始めた。
「やろうか」
すると突然彼女は言った。
「首を長くして待ってたの」
「僕もだよ」
「比喩表現じゃないのよ」
その後僕は驚きに言葉を失った。
彼女の首がニョロンと呼びていくのだ。
僕は驚いたけど、そんなことはどうでも良かった。
愛する彼女に触れたいという欲求は目の前の恐怖となり得るだろうものも快感に思えるのだ。
「ろくろ首・・・多分これは夢だと思う」
「試してみる?」
彼女は、首を僕の全身に絡ませた。
まるで包み込まれるような芳醇な香りに僕は目眩に似た感覚に襲われる。
僕は全身に巻かれた長い首にペニスを擦り付ける。
すると、わずかながら彼女の首がバイブレーションのように震えるのだ。
「だめ、感じる」
どうやら膣以上に彼女の"首"は、感じるらしい。
僕は何度も首にマスターベーションをした。
「うううぅん。気持ちいいい」
膣から多量の愛液か出てる。
愛液と精液の結合を僕は夢に見た。首に巻かれた状態しながら僕は膣にペニスを突っ込んだ。
イキ顔も観れるろくろ首は、最高だ。
こうして、ある程度セックスが終わった後2人の愛は強くなっていた。
僕はその後出ようと思ったけど、彼女が僕の手を掴む。
「行かないで」
「でも、仕事が」
すると、彼女が再度キスした。
そのキスの味は・・・先ほどのキスと違って、完全に意識が無くなるような感じであった。
「ずっと一緒にいよう」
こうして、僕は彼女と同居することになった。
気がついたら僕の空腹感はなくなっており、身体は軽くなっていた。
だけど、愛が消えることはなかった。