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力試し

今日も書けました!

マルゲイン学園についたオーカとマックはすぐに受付に向かい学園の中にいるであろうランコとマユを呼び出してもらった

幸い授業が終わったばかりの時間だったらしく学園内にいたのですぐに駆け付けてくれた


「会いたかったですわぁぁぁ!」


ランコはすぐにオーカに抱き着いてきた


「こらこら、貴族様が人前でそんな事したらダメでしょ」


オーカがそういうと渋々と言った表情ですぐに離れた


「何か月も魔物討伐をしていたって事でしたけど怪我とかはしませんでしたの?」


すぐに心配をしてくれるところがランコの優しさだろう


「うん、全然大丈夫だったよ、そこまで奥地から沸いて来た訳じゃないからね、余裕余裕」


「それだけ魔物を倒したらかなり実力もあがったんじゃないですか?」


「うーん、その辺はどうだろ、弱いのばっかりだったしさほど変わってないかも」


「私くらいのレベルだったらいい経験値稼ぎになったんだろうけどなぁ、学校じゃ仕方ないけど」


マユは少し残念そうだ

早く自分のレベルを上げたいと思っているのであろう


「学生のうちじゃしょうがないでしょ、あんまり無茶な狩りとかはさせないと思うしね」


「それがちょっと物足らないんですけどね、ココチ君も結構強くなってるしこの近辺だけじゃなくてもっと強い魔物が出る所に行きたいんですけど・・・」


急激に力を付けたマユにとってはもはやこの辺りの魔物では満足にレベル上げができないようだ


「分校にあるダンジョンはどうなの?前に言ってたよね」


「夏くらいに行く予定ですわ!私も参加予定ですの!」


「え?ランコもいくの?大丈夫?」


「ランコは低階層に潜るパーティの予定です、私の班はもうちょっと深く潜るんですけどね」


「ああ、そうなんだ、経験を詰む感じか」


「そうですわ!それでもダンジョンだから危険な事もあると思いますし気を付けますわ!」


「そうだね、気を付けてね」


「はいですの!」


ランコはなんだか嬉しそうだった


「それでオーカさん今日はどうしたんですか?」


「もちろん私に会いにきてくれたんですわ!」


ランコが大きな胸を張る


「ん-、まあ、それも1つの用事ではあったんだけどね、ちょっとマユちゃんに相談というかお願いしたい事があって」


「私にですか?なんでしょう?」


「あ、その前にマユちゃんに紹介するね、こっちが私の弟子でパーティメンバーのマックだよ、ちゃんとした紹介はしてなかったよね」


「よろしくっす」


「あ、よろしくお願いします、ランコから何回か話は聞いてます」


「それなら話が早いね、実はマックの耐性装備を揃えようと思ってるんだけどファーミリ商会でそういうの扱ってたりしない?」


「あー、なるほど、扱ってますよ、例の事もあったくらいですしね」


その時オーカは少し「あっ」と思った

それが顔にもでたのだろう


「あー、オーカさんがそれがあるから用意してるんじゃないかとか思って声かけたとかは思わないですよ、むしろ私が呪いにかけられる以前から普通に扱ってましたからね、手元にあるのに装備させておかなかったなんてー、ってお父さんも言ってるくらいだし私もそう思ってます、今じゃちゃんと装備していますよ」


「当然私も装備しておりますわ!」


「ランコもうちで買ったんだもんね」


「そうですわ!」


「ただ冒険者用となると効果が高い奴の方がいいですかね、それだと結構高いんですけど・・・でもオーカさんに頼まれたっていえばお父さんくれるとは思います」


「いやいや、なんでタダでもらう話になってるのかな?ちゃんと正規の値段で買うよ、結構稼いだんだよ」


「うーん、オーカさんからお金受け取るかなぁ・・・元々娘を溺愛してる父親の溺愛度がさらに増してますからね、その娘を助けた恩人からは受け取らない気がします、この前だってオーカさんの話をしてましたよ」


「いやいや、それはありがたいけどちゃんと払うよ、その代わり性能がいい奴を探してほしいんだ」


「わかりました、伝えておきますね、ただちょっと時間はかかると思いますよ」


「うん、それは大丈夫だよ、あ、そうだ!今回はお土産があるんだった」


「なんですの?」


お土産というワードにランコがすぐに食いついてくる

オーカがアイテムボックスから白いものを2つ取り出した


「じゃーん!こっちのマントがマユちゃんのでこっちのマフラーがランコのだよ!」


「まあ!凄く綺麗ですわ!」


「ほんと、真っ白!」


2人とも目の前にあるマントとマフラーのその白さに驚いたようだ

セーテンタイセイの毛をふんだんに使っているのでその白さはとても美しい

一流の職人であるパシンフルがその腕をいかんなく発揮させ余った魔石を豪勢に使ったのでその色がくすむ事はないだろう


防御力もそれなりに高く対魔法も考えられているのでその辺の冒険者が持っているものよりはるかに上等な品になっている


「こんな高そうなの受け取れませんわ」


どうやらランコは貴族なだけあってセーテンタイセイの毛皮の価値を知っているようだ


「む、ランコは私を貧乏人と勘違いしているな?」


「違うんですの?」


ランコがきょとんとしたような顔を向けてくる

これは完全に貧乏人だと思われている


「オーカの冒険者の階級が気になって聞いてみたんですの、下から数えた方が早いって聞きましたわ」


「それを言われるとちょっと反論しにくいけども・・・でもまあ、このマントとマフラーは実際タダみたいなものだからね」


オーカはフルパラの街での戦闘とそこであった2人の職人、そして押し寄せてくる魔物について2人に語った


「・・・という訳で材料費はタダ!製作費は置いてきたけどそれも今回の報酬から置いて来てるから実質タダ!」


「ランコがいらないなら私がもらっちゃうよ?」


マユがパスを出してくれる


「ダメですわ!これはオーカが私にってくれたものですわ!」


「じゃあ受け取ってくれるんだね、よかった、防御力もあるからダンジョンに行く時にはちゃんと持って行ってね」


「わかりましたわ、そういえばそのダンジョンの事でオーカに頼みがあるんですわ」


「うん?」


「ダンジョンアタックをする時に護衛を雇ったりするのですがオーカに来てほしいんですの」


この提案はオーカにとっても渡しに舟である

地の女神が封印されてそうだが学園の中にあるダンジョンという事で入るきっかけが必要だったのだ


「それは全然行くけど何階くらいまで潜るのかな?」


「私が5階くらいでランコが2,3階くらいの予定ですよ、私の方は進めそうならもっとって感じですけど」


「うーん、そっかぁ」


「ダメですの?」


「いや、だめって訳じゃないんだけどね」


「オーカさんくらいの強さになるとやっぱりもっと潜ってみたい、とかですか?」


「そうだねぇ、出来れば最深部は目指してみたいねぇ」


「わかりましたわ、その件は私から学校の方へかけあってみますわ」


「お、ほんと?ああ、でもダメだったからって護衛を引き受けないって訳じゃないからね」


「わかってますわ、オーカの身体を流れる冒険者の血がさらに危険を求めているって事ですもんね!燃えて当然ですわぁ!」


わかっているのだかわかっていないんだかよくわからないがどうにかこれでダンジョンへはいるきっかけができそうだ

最悪忍び込むしかないと思っていたがその案はこれが終わってからでいいだろう

マックと2人で付いて行ってマックだけに護衛をしてもらって自分だけは最深部を目指すとかあってもいいかもしれない


そうなると問題は地の女神の力を取り込んだ魔物に1人で勝てるかどうかだけだ


「っと、じゃあそろそろ私は時間だから戻るね、最近先生に剣の稽古つけてもらってるんです、お父さんにはすぐ連絡しますね、今度また手合わせしてください」


「そうなんだ、忙しいのにごめんね」


それだけ言ってマユは学園の中へと戻っていった

手合わせしたあの時よりきっと強くなっているはずだ


「ランコは大丈夫なの?」


マユが居なくなった瞬間にオーカの腕に腕を絡ませたランコにオーカは問いかける


「私はなにもないですわ!オーカ!門限までどこかでお茶をしましょう!」


「うん、わかった、じゃあマック流石についてくるのはしんどいと思うしあとで待ち合わせしよ、連絡待ちもしないとだからいつもの宿屋で私の部屋も取っておいて」


「へいっ!じゃあ師匠またあとで!」


マックもいなくなるとランコの腕の力がさらに強くなった


「さあ!お茶しにいきますわよ!」


オーカは細腕からは考えられぬその力にただ引っ張られていくだけである


それから3日後、毎日のようにランコに連れられお茶をしているオーカの前にファーミリ商会のマートが姿を現した


「あれ?マートさん?」


「やあ!オーカ君!我が娘の恩人が私を頼ってくれたのが嬉しくてついつい来てしまった!」


「ちょっと・・・それは予想外でした」


その時遠くからドドドドドというような音が聞こえてきた

どうやら足音らしい

それがどんどん大きくなってくる、こちらに近づいて来ているようだ


「ちょっとお父さん!!なんでここにいるのよ!!」


足音がなくなったと思ったら今度は怒鳴り声が聞こえてきた


「やあ!可愛い我が娘!お父さんは商談にきたんだ、商人なんだから商談をするのは当たり前だろう?」


「だからといって」


「それに今回の商談の相手はとびきりのお客さんだ、商会の主が出てきてもなにもおかしくはないだろう?」


「そ、それは・・・」


「もちろん商談の後には可愛い我が娘の顔も見に行くつもりだったから安心するんだ!」


「それが嫌なの!」


なんだかあの時とキャラが違っている気がする

これが溺愛を越えた溺愛なのか・・・

それにしてもここまで溺愛している父親がよく娘が勇者扱いされていることに反対しないものだ


「さて、可愛い我が娘よ、お父さんはこれから商談にはいる、そこで働く父のかっこいい姿でも見ていなさい、おっとシャネール家のご令嬢、挨拶が遅くなって申し訳ありません」


「問題ないですわ」


「はっはっは、では早速オーカ様、商談へとはいってもよろしいでしょうか?」


「よ、よろしくてよ」


なんだか大変な空間にはまってしまったかのようだ

変に緊張してしまったせいか言葉使いが変になってしまっていた

ありがとうございます!

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