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いざ、ダンジョン攻略へ

書きます

「レディィィ!!!・・・・ゴォォォーーー!!!」


合図をお願いした人はさっきと同じ人だが明らかにテンションは違っていた

ギルドマスターが名乗りを上げた時誰も文句を言わなかった

このギルドマスターは本当に強いんだという事がそれでわかる


それならなぜギルドマスターをやっているのかはわからないが


「「「「「おおおおお!?」」」」」


先程の勝負とは違い今度は2人の腕は動かなかった

だが2人が力を入れている事は顔を見ればわかった


「おい、本当にあの子凄いぞ」


「ギルマスは今でも鍛冶仕事はしてるし冒険者としても名を挙げた強者だぞ」


「それなのに、あんなに細い腕で・・・」


「腕の太さだけで言えば3倍は違うぞ!!」


ギャラリーは大盛り上がりだ

食事処の料理人すら厨房をほったらかして2人の勝負の行方を確かめに来ている


「なかなかやるな、お嬢ちゃん、だがまだ本気じゃないだろう?顔に書いてあるぞ、俺がギルドマスターだからって遠慮しているのか?」


ギャラリーがざわつく

ギルドマスターを相手に余裕を残している?そんな馬鹿な!


「見せてみろ!お前の力を!」


正直こんな衆人環視の中ですんなりと勝っていいのかどうかわからなくて少し戸惑っていた

だがここまで言われてしまったらオーカとしても遠慮するわけにもいかない


「う、動いた!」


2人の手が真ん中から動き出す

ギルドマスターの顔はもう真っ赤である

確かに単純な腕力だけで考えたらオーカの方が上かもしれない、だが油断をすると一気に負けてしまうような相手であるのは間違いない


「ふぅぅぅん!!!」


ジリジリとギルドマスターの手の甲が机に近づいていき・・・


「ふんっ!!」


バタンッ


「「「「「うおおおおおおおおおお!!!!」」」」」


オーカが勝利した

オーカが肩で呼吸をしている、それくらいの力だったのだ


「やるなぁ、流石女オーガだ」


ギルドマスターが右手を出してきた


「あれ?知ってるんですか?」


オーカが握手に答える


「もちろんだ、本当に女オーガが来るかどうかは来てからのお楽しみではあったが十中八九来るんじゃないかと睨んではいたよ」


「それはどうも、今後ともご贔屓に、結構受ける依頼の好みはありますけどね」


「がっはっは!強い奴には我が儘を言う権利がある、それが冒険者の世界だ、おい、お前らよく聞け!この人は最近話題になっている女オーガと呼ばれている冒険者だ!階級は確かに低いがそれはまだ冒険者になってから歴が浅いからだ!この人がジエンジョのダンジョンに冒険者として初めて入るのに文句を言う奴がいたら今俺に言え!ぶん殴ってやる!」


ぶん殴ってやると言われて声を出す人間がどこにいるのだろうか

それはドワーフと言う種族だってそうだろう


「よし、いないな!じゃあオーカ、さっそく仕事の話だ、俺の部屋まできてくれ、案内しよう」


「はーい、じゃあさよならー」


オーカは周りにいるドワーフに手を振りながらギルドマスターについていった


先程ギルドマスターの鶴の一声のお陰で静かになっていた室内が2人、とマックが消えた事が一気に騒がしくなった


先程の勝負について語る者、イスキーにそんなに強かったのかと問う者、俺もやってみたいと願う者、色々いた

だが全員に共通している事が1つだけあった

それは全員が酒を注文したという事だ


今の勝負をみて酒を飲まない奴なぞドワーフの中にはいないのだ




「さて、うちの冒険者達がすまなかったな」


「いえ、大丈夫です、それに階級が低いのが問題だっていうのもわかってましたし」


「そうだな、その辺については俺もそう思う、さっさとあげてしまえ、おっと、自己紹介を忘れていたな、俺はヤキキンの街の冒険者ギルド、ギルドマスターのオツカだ」


「オーカです、こっちはマック、よろしくお願いします」


「ああ、よろしくな、さて本題だ、ジエンジョのダンジョンについて話は聞いているとは思うが改めて説明するぞ、あのダンジョンはこの辺にある他のダンジョンに比べて敵の強さが異常だ、最初に見つけた軍の奴らも入ってそこそこで逃げ出してきたらしい」


「そこなんですよね、なにか同じような現象が起こったりとかって聞いた事あります?」


「ないな・・・だがこれは中に入った奴の言葉なんだがな、ダンジョンの中で出会ったすべての魔物がまるでレア個体のようだったというんだ」


「全部がレア個体・・・ですか・・・」


「ああ、それが本当なら攻略は厄介ですけどお金にはなりそうですね」


「そうだな、ドロップがどう変化するかはわからんが普通よりは良いものが落ちそうな感じはするな」


「でもその分強い、と」


「ああ、そうだ、まあ、だがなぜそんなダンジョンが出来たのか?とかそういうのを調査してほしい訳ではない、何階まであるのか、マップは広いのか、ボスはいるのか、とかそんな感じの事を調査してほしいんだ」


「マッピングした方がいいんですか?」


「してくれるなら助かる、もちろんその分の金はだすぞ」


「わかりました、じゃあそれもやります」


「ああ、じゃあ頑張ってくれ、無理はするなよ」


「ちなみに中の魔物は何を見たて言ってました?」


「ああ、ジャイアントだよ」


ジャイアント、つまりは巨人である

この世界には魔物としてしか存在していない種族である

オーガと同じく戦闘民族であるためもしかしたら世界のどこかに知性がある巨人族がいるかもしれない


オーカ達は情報を聞き終えたので冒険者ギルドから出て準備を進めた

冒険者ギルドを出る時に俺とも腕相撲してくれとか一杯奢らせてくれとか言われたが全てを丁重に断った

これから仕事なので余計な体力を使えないし酒は飲めないと言ったらドワーフはキョトンとした顔をしていた

やはり種族の違いというものはかなり大きいようだ


機馬に乗り走る事約30分

オーカ達は炭鉱のある山の麓、ジエンジョのダンジョンの前に来ていた


軍の関係者に門の前で立ち入り禁止だと言われたがオツカの紹介状を見せたら中にすんなりと入らせてもらえた


ダンジョンの中へとはいるとすぐ目の前にジャイアントが現れた、だがまだオーカ達には気づいていないようだ


「おー、「赤黒」くらいの身長だね」


「そうっすね、横幅はないですけど身長は似た感じですね」


「あ!「赤黒」で思い出した、オツカさんに鎧の事頼めばよかったよ」


「ああ、鍛冶の仕事もしてるって言ってましたよね」


「きっと優秀なんじゃないかな?」


「作ってもらえるなら嬉しいっすね」


「そうだね、それにしても最近私達ってかなり大きい敵とばかり戦ってない?」


「うーん、そうっすか?一応狛犬はそんなでもなかったっすよ」


「それはそうだけど狛犬はメインで狩ってた訳じゃないからノーカンよ」


「それなら確かにほとんど2m越えばかりっすね」


「しかも筋力系の魔物ばっかりね、ま、いいわ、とりあえず1発当ててみてどれくらいの強さか計ってみましょ」


オーカは右手を前に出した


「ストーンバレット!」


前方へ放たれた石の弾はジャイアントの頭に命中する、だが


「あれ、あんまりダメージ入ってないっぽいわね、相当硬いみたいよ」


ジャイアントは痛そうに頭に手をあてたが当てた張本人を見ると怒りで痛みを忘れたかのように突っ込んできた


敵はどうやら相当防御力が硬いらしい、なのでオーカは薙ぎ払い丸を取り出すとぐっと力を込めてジャイアントに斬りかかった


ガチンっ!


薙ぎ払い丸が地面に大きな音を立ててあたる


「うぅ・・・手がしびれる・・・」


ストーンバレットで全然ダメージが入らなかったからという事で相当の力を込めて振り下ろしたのに特に抵抗もなくすぱっとジャイアントが斬れたので勢い余って地面に薙ぎ払い丸を当ててしまったのである


「あれー?全然硬くないわね」


「そうなんすか?じゃあ次は俺がやってみるっす」


前に進み次のジャイアントを発見した

マックが薪割で斬ってみるとやはり真っ二つにできたのである


「確かにそんなに硬さを感じないっすね、魔法防御力が高いとかっすかね」


「えー・・・?ジャイアントだよ?確実に脳筋枠なのに魔法防御力高いの?」


「確かに自分で言ってて変な事言ってるなってのはあるんすけどそれ以外考えられないっす」


「うーん・・・それは確かにそうなんだけど・・・まあ、いいか、物理で倒せばいいだけだしね」


「そっすね!」


脳筋枠はこの2人もである


ジエンジョのダンジョンのジャイアントは巨体の割に素早く動き上から攻撃をしてくるパターンが多かった

だが巨大な相手と戦いなれている2人からすれば特に問題はない

マッピングをしながら進むと下へ降りる階段が見つかった


「ジエンジョのダンジョンは下に降りるタイプか、まあまだ奥までいけてないからとりあえず1階のマッピング終わらせましょ」


「へいっ!」


1階のマップを埋めるようにして進んでいく

すると今度は上にあがる階段も見つけた


「上にも行けるみたいっすね、どっちから行きます?」


「うーん・・・とりあえず上かな、意味はあんまりないけど」


「じゃああと少しマッピングしたらこの階段からっすね」


「うん、じゃあ急いでやっちゃおう」


1階のマッピングが終わりオーカ達は2階へと向かう

2階に出てくる魔物はジャイアントだが手に武器を持っている個体がちらほらと存在していた

3階になるとその数はさらに増えた、そしてそれ以上は上に行く階段は見つからなかった


「武器のドロップを狙うなら3階ね、それにしても棍棒とか斧とかハンマーとかばっかりでまさに脳筋ね!それなのにやっぱり魔法防御力が高いのが謎ね」


「ほんとっすね」


「ここがね、なんかの遺跡とかならまだわかるのよ、特殊な力で魔法が抑えられてる!とかあるかもしれないじゃない、でもダンジョンの中も完全に山の中なのよ!だから余計わからないわ!」


「うーん・・・俺もわかんねっす」


「もしかしたらマッチョ以外お断りのダンジョンなのかもしれないわね」


「それだったらちょっと面白いっすね」


「魔法使い職からしたらたまったもんじゃないけどね、さて、次は地下にいくわよー」


「へい!」


巨人族ばかりが跋扈するダンジョン、ジエンジョ

この中でオーカにどんな出会いが待っているのだろうか?

書きました!見てくださる人に感謝感謝!

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