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油断大敵

今日も書きたくなったので書いた

今日はダンジョンアタックの日である


「ねぇ、マック、私とマックは一応師匠と弟子って関係な訳じゃない」


ダンジョンのある街へと歩きながら私は隣を歩くマックに声をかける


「へいっ!そうっすね!師匠」


「最初はなんだかなって思ってたけど今は別にそうでもないからそれはいいんだけどね、ただ私ダンジョンって始めてなのよ、それなのに今日師匠面するのはちょっとどうかな、って思う訳」


「ダンジョンに行った事がないのにその強さ!流石師匠っす!へいっ!」


「・・・マックが何も思ってないならもういいわ、とりあえず今向かってるロー・テリアダンジョンっていうのがどんなダンジョンなのか教えてくれない?」


「へいっ!ロー・テリアダンジョンっていうのはですね!」


ロー・テリアダンジョン、それはオーカが最初にたどり着いた街「サブウエエの街」周辺で冒険者として生計を立てようと思ったら大多数の人間が最初に訪れるダンジョンである


そもそもダンジョンというものは世界にあるバグである魔動力がなんらかの原因により溜まってしまい発生したものである

人類は何故魔物が発生したのか、何故ダンジョンがあるのか、など研究はしているみたいだが魔動力というものの存在に気づかない以上この研究が実を結ぶ事はないだろう

もちろんオーカの口から語られる事は確実にない


魔動力が吹き溜まりとなった結果発生するものは大まかに分けて2つだ

1つがダンジョン、もう1つが強力な個体、すわなちネームドボスだ


ダンジョンにも色々あって下へ潜って行くもの、塔を登っていくもの、だだっ広い平原に繋がるものなど多種多様だ

中にはダンジョン内部にボスと呼ばれる特殊な個体が存在するパターンもある


ダンジョンというものにはルールがある

まずは魔物の数、だがある一定数以上には増える事がない

1匹倒せばすぐに沸くかある程度時間が経ってから沸くか、その差はあるが増え続けるという事はない

なおゴブリンは倒したら1秒後にはどこかに沸いている、ただの雑魚なんかはそんなものである


そして中の魔物は完全体で産まれ成長する事はない

自然の中に産まれた魔物は成長していく、より強い個体に支配され軍として強くなったり、倒した人間の武器を奪ったりそれを真似て作ってみたり、そういった成長がみられるがダンジョン内ではそういった事は起こらない

またダンジョン内で産まれた魔物は食事や睡眠を必要としない

これは意思があるとないとかという訳ではなくてダンジョン内には魔動力が充満しておりそれを体表やらで吸収しているので必要がなくなるからだ

外の魔物との違いはまだあり仲間意識を持たない(ダンジョンの中のボスによっては何匹かの魔物を率いてたりもする)ので各々がバラバラに目についた人間に対し殺気を向け攻撃してくるのだ


そして倒された時はドロップアイテムだけを残し塵となり魔動力となりまたあたりを満たしていく

なので魔動力が1度ダンジョンとしての形になってしまうと半永久的にそこはダンジョンのままとなる


ドロップアイテムも元をたどれば魔動力で形成されるのだがそれくらい微々たるものであるし何より人が使えるものであるのでそこまで魔動力としての側面は残らないのだ(ただし魔動力が強く残ればもちろん影響はでる、これを人々は呪われた装備と呼んでいる)


オーカの目指しているロー・テリアダンジョンは3階層で下に潜って行くタイプ

中に出てくる魔物はゴブリンが主で武装が違う個体、狼を連れている個体などがいる

ボスはいないが3階層目は数が少ないとはいえゴブリンをちょっと成長させたような大きさのホブゴブリンという個体がでてくる

大した強さではないがこいつに絡まれている時に横から別のゴブリンに襲い掛かられたら厄介だろう

実力が低い時はパーティで挑戦する方がいいだろう


「ふーん、3階にはそんな魔物がいるんだ、でもマックは行ってすぐにでてきたって言ってたよね?」


「へいっ、その時はちょうどダンジョンの中から逃げ出してきた野郎がいたもんでダンジョンの入り口にちょっとした魔物溜まりができてたんでさ、そいつがゴブリンアーチャーもいるって言ってたしゴブリンメイジもいたかもしれないなんて言うもんだから今日は辞めようってなってそれからなんだかんだで行く機会がなく今に至るって感じです」


「そっかー・・・数も多いし遠距離持ちもいたんじゃマック達3人にはちょっときついわよね、ただ私でもやれるかどうか・・・」


そういいながら自分だったらどうするのかを考える

魔動力で満ちているとはいえダンジョン内は魔法が使える

だがオーカの使える魔法は地属性の魔法以外はそこまで強くない、こちらに転生はしているのは他の3女神は多分気付いているのだが自分の力がまだ弱くなる事を恐れている(とオーカが勝手に疑っている)ので火力が低い

他の人が使う魔法を見た事があるが相手のそれと自分の使うそれではまず見た目の大きさが違っている

仕方がないので地属性以外の3属性は生活を豊かにする程度にしか使ってない


(人がいなければ地属性の魔法使えるけど入口だと人大勢居そうだからなー、袋から石を取り出してる風にして投げればいいか、うん、そうしよう)


マックに話を聞きながらこの場合はどうする、とか色々と決めているとロー・テリアの街についた

まずは宿を借りダンジョンアタックに必要なものを買いそろえるとすぐにダンジョンに向かった


「ここがロー・テリアダンジョンね、へぇ、ダンジョンの前って結構活気があるのね、お店もあるなら街で揃えなくてここで買ってもよかったかもしれないわね」


「いや、街で揃えるのが正解っすよ、師匠、値段が違う」


「あー、なるほど、確かに街で見たのより高いわね」


「そうっす、だから街で揃えるのが賢い選択でここで買うのは急に必要になった時だけっす」


確かにその方がいいだろう、しかしダンジョンの前は街の外だ、ここにも魔物はいるだろう

そんな中で露店やらリヤカーで物を売っている商人の逞しい事逞しい事


「買い物はもう済んでるし早速中に行きましょうか、入口に人はいないみたいよ」


「へいっ!師匠!行きましょう!」


マックの気持ちのいい返事を受けオーカはダンジョンへと足を向ける

入口の前には階級を確認する係がいるのでステータス画面を見せる

階級は3が1人と4が1人、じろっとこいつら大丈夫か?みたいな視線を向けられたが何も言われる事はなく無事に通ることが出来た


ちなみにダンジョンの前に人がいるのは初心者用ダンジョンと入場料を取るダンジョンくらいなもので他にはない、中の魔物が外に出る事も外の魔物が中に入る事もないので前者は実力不足をふるい落とす為、後者は金儲けの為に存在しているだけだ


「よし、まずは1階でちょっと戦って行けそうなら2階、3階に行ってみるわよ」


「へいっ!がってんでさ!」


ロー・テリアダンジョンは近くの初心者が集まってくるダンジョンなのでサブウエエの街以外の冒険者ギルドの人も利用している

小さい女の後を大男がついていく様子を見慣れてないのだろう、結構視線を感じる


「見られてるわね」


「そうっすね、殴ってきますか?」


「馬鹿ね、そんな事しなくていいわよ、それにああいう反応は自分の事を初心者ですって言ってるようなものよ、いちいち気にしなくていいわ」


「どういう事っすか?」


「この世界はレベルとスキルがモノを言う世界よ、見た目で相手の事を測ろうとすると痛い目を見るわ、どっかの誰かさんと同じようにね」


「あっ!そういう事っすね、あの時は確かに俺が馬鹿だったっす!へいっ!」


「もう気にしてないわよ」


周りには出会えば即殺気を向けてくるゴブリンがいるのにオーカは余裕だ

その余裕さと大胆な足運びが注目を受ける要素の1つという事に本人は気づいていない


そう、つまり彼女も初心者なのだ

そしてその後ろにいる大男も初心者なのでそれに気づく事はない


だがそれを抜きにしてもゴブリンにやられるような実力ではないので最短で2階に降りる階段の方へ向かっていった


「ここが2階に下る階段ね、休憩してく?」


この階段付近には魔物は近づいてこない、なので身体を休ませたりしたい場合はここを使う冒険者が多い

だがそこまで広くはないので眠っていたりすると身体を踏まれたり財布をすられたりもするので完全に気が抜けるという訳でもない


「大丈夫っす、この程度の戦闘余裕っす」


「じゃあもっと奥に行きましょうか」


ズンズンとダンジョンの奥へと進んでいく

1階層では結構な人がいたのでそこまでのゴブリンは倒していないが2階はそこまで人がいないみたいだ

階段を離れてからすぐの所で戦闘が始まった


「何匹か固まってたし装備をちゃんとしてるゴブリンもいるけど外とあんまり変わらないわね、これなら3階でホブ相手にした方がいいかも」


あっという間に5匹のゴブリンを倒したがまだまだ余裕だ


「へいっ、じゃあ進みましょう」


「どうせならちょっとだけ寄り道しながら敵を倒して進んでいきましょうか、弱くても一応ドロップ狙えるしね」


「へいっ!」


オーカ達はダンジョンの横道を確認しゴブリンを見つけては倒し見つけては倒しを繰り返していた


一方その頃オーカ達が下りてきた階段の付近はというと


「さっきここを通った2人組がそこにたまってたゴブリンをやっつけたみたいだ」


「ほんとか、アーチャーがいたから行くのやめようかと思ってたけど良かったな」


「俺達も2階で狩りするか、できればこの階段近くの方がいいな」


入口付近に溜まっていたゴブリンを倒した事によりぞくぞくと人が2階層へと流れだし入口付近のゴブリンを狩っていく

人がいない階層、ゴブリンを倒しながら進んでいく2人と入口の付近のゴブリンを倒す冒険者、すぐに沸くゴブリン


オーカ達がダンジョンの中でちょうど部屋のようになっている空間に足を踏み入れた時

殺気を放つ瞳が数十もオーカを睨む


その視線を感じすぐに後ずさるがもう遅い


ゴブリンは手にした武器を構えオーカ目掛けて走り出した

ちなみにこの街がある国の名前はバーガ、そこの王様はバーガ王、王をキングと呼んではいけない

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