第39話 ルークに思慮分別を!
後ろ盾であるブランチ卿の意向もあり、ルークは魔王を倒した英雄として首都でパレードをすることになりました。
王国騎士団とともに、ルークは先頭を馬で行進しました。
街中から集まった数万の群衆が歓迎の声を上げました。
出産したばかりのメアリは、子供をメイドに任せ、ルークに会いにやってきました。
昔の男が英雄になっていることが、気に食わなかったのです。
「ルーク! ルーク!」
かき消すような群衆の声の中、馬に乗ったルークを追いかけました。
「ルーク! ルーク!」
自分に気づいてもらうよう必死で手を振りました。
ルークはメアリに気づきましたが、ただ前を向いて、それを無視しました。
「お前に褒美をあげよう。私の次女と結婚しなさい」
パレードののちの謁見で、皇帝はルークに言いました。
ルークは一礼して、それを了承しました。
こうして、ルークは皇帝の次女『スーザン』と結婚しました。
ルークの二歳年上の者でした。
ルークは表向き、良き夫良き父として振舞いました。ルークは思慮分別を持つようになりました。
その甲斐もあり、三人の娘に恵まれました。
娘たちも妻も、ルークを愛していました。
しかし。
初恋のミア、覚醒したジュリア、自分を捨てたメアリ、優しくしてくれたアニー、神として傲慢であった女神。
これら五人の女性たちに、ルークの心は縛られていたのでした。
そして、リリアンとアントリミール族も彼を許さないでしょう。
おしまい




