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第32話 ウォーレットとの再会

 ルークはしばらくして、アニーとジョンを葬りました。


 一番近くの街に行って遺体を運び、葬式や役所の手続きをしました。

 一番近くといっても、アニーとジョンが住んでいた場所は魔王軍に浸食されつつあった南部であったために、ずいぶんと遠い場所にありました。


 ルークはアニーとジョンの二人の遺体を、家の近くに埋めました。それが良いと考えたからです。


 ルークはその後放心状態でしたが、やがて魔王を倒さなければならないと決心しました。


 自分の荷物を書き集め、いざ出発となりましたが、動くことができませんでした。


 メアリとジュリア、そしてミアやアントリミール族のリリアンのことを思い出しました。


 短い間でしたが、決して忘れることのできないものです。


 ルークは彼ら彼女らに会いたいと思いました。


 そこでルークは行き先を北に変え、来た道を戻っていきました。




 かつてジュリアと出会った村に着きました。


 ルークはそこをなぞるように歩きました。


 村の仕事募集の掲示板。ここに募集紙を張り付けて、ジュリアがやってきたのです。


 でも、メアリは嫌がっていた気がしました。


 それで、メアリが出て行って、ルークが探すことになりました。ジュリアも心配してくれました。


 それで一緒に雑貨屋に行ったり、少しずつ親しくなって、ダンジョンを攻略したのです。


 ルークが懐かしく村の道を歩いていると、ある人物と出くわしました。


 ジュリアの兄、ウォーレットとジュリアの母でした。


 ルークを見かけると、ウォーレットは近づいてきました。


「何のためにここに来た?」

「ジュリアに会いたかったからです」


 ウォーレットがルークを引っ叩きました。


「ジュリアが死んだのは、お前のせいだ!」


「ごめんなさい……。ジュリアが死んだのは俺が弱かったからです……」


 ルークは、そう言って泣き出しました。


 何も反撃することはなく、ただ受け入れました。


「こんなことになるくらいなら冒険に断固反対して、嫁に出せばよかった!

そうしておけば、ジュリアは死なずに済んだのに!」


 ウォーレットが叫びました。


「でも……」


 とルークは嗚咽を交えて言いました。


「ジュリアは最後まで自由でした」


「こいつ! 自由の先が死であってたまるか!」


「やめなさい!」


 迫るウォーレットをジュリアの母が割り込んで止めました。


「ジュリアが決めたことなの。ルークさんのせいではない。八つ当たりでしょう」

 ウォーレットを諭しました。


「今日はうちに来て頂戴。歓迎しますから」

 そういって、泣いているルークの手を取りました。




 ルークはウォーレットたちとともに夕食をとりました。


 だんだんと生前のジュリアを懐かしむ話で、盛り上がってきました。


「小さいころ、ジュリアに魔法を教えたら、『私、毎日、魔法の練習をする』って言い始めたんだ。

来る日も来る日も練習してさ、でも、ある時、熱を出してジュリアが倒れたんだ。

それでやめろって、言ったのに練習しに出掛けてさ。結局、練習回数を減らして帰ってきたけど」


「話を聞かなかったんですね」


「ああ。ジュリアは、昔から頑固だったよ。自分で決めたことを曲げなかった。

そこがあいつのいいところだったんだろうけどさ。

そうそう。近所でいじめられっ子の男子がいたんだよ。

弱気な奴で、他の強そうな男子数人から色々嫌がらせを受けていた。

そしたら、ジュリアが加勢してね。『複数人でいじめるんじゃない。あんたもやり返せ』って」


「そういうところありましたよね」


「ジュリアは、話を聞かないが、いい奴だったよ。本当に」

 そういうと、ウォーレットはコップのワインを飲み干しました。

 そのあと、下を向いて、物思いにふけりました。


「ジュリアも、仲間が実家を訪ねてきてくれて嬉しいと思うよ。ありがとう、ルークさん」


 ジュリアの母はそう、ルークを慰めてくれました。


 ルークはその晩、ジュリアの実家に泊めてもらい、その翌朝、街を発ちました。


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