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第26話 白馬に乗った王子様

 ルークと共に捕まったメアリは手錠で繋がれ、兵士とともに首都の街道を歩いていました。

 彼女が着せられていたのは、粗末な茶色の囚人服で、顔には土埃がついていました。


 すると向こうから、白馬に乗った貴族の青年がやってきました。


 その貴公子は、メアリを見ると、一目惚れしてしまいました。


 貴公子は白馬から降りると、メアリに近寄りました。


「この方は?」

 貴公子が兵士に話しかけました。


「はい。『シンギュラリティ』の件の囚人です」


「こんな美しい娘に手錠をかけるなどと!」


 こう言って、メアリを連れ出そうとします。


「おやめください。囚人を勝手に出すわけにはいきません」


「俺を誰だと思っている! リリース卿の長男、パネルだぞ! 俺に逆らうのか!」


 兵士たちはすっかりと震え上がりました。


 パネルは白馬にメアリを乗せ、連れ去ってしまいました。



 この話はすぐにリリース卿の耳に入りました。


 リリース卿はため息をつきましたが、如何せん息子に甘く、結局、パネルにメアリを与えました。


 ニード卿、ブランチ卿も最初は反対したものの、一応メアリを首都に留めておけることから、許可をしました。


 メアリはパネルの館に連れていかれ、そこで一室をあてがわれました。


 上にシャンデリア、壁に絵画、キャノピー付きのピンクのベッドがあります。


「今日からこの部屋に住むんだ。名は何という?」

「メアリ……」

「メアリか。美しい名だ。あなたに相応しい」


 その日は、メアリは久しぶりに柔らかいベッドで寝ることができました。


 次の日、部屋からパジャマで出てみると、メイドが置いていった白いレースのワンピースと下着がありました。

 メアリはそれに着替えると、リビングへと向かいました。そこでは大きなテーブルがあります。

 たった二つの椅子が向かい合って置いてありまして、片方にはパネルが座り、食事をしていました。

 パネルの後ろでは二人のメイドが立っていました。


 メアリは、何も言わずにパネルの向かい側の椅子に座り、食事を始めようとしました。


「私の許可もなしに座るのか。美しい見た目に反して、はしたないものだな」

 どうやら、傲慢なパネルの不興を買ったようです。


 仕方ないので、「すみません」と言って、立ち上がりました。


「座って良い」


 そう言われたので、メアリは座りました。


 朝食は、オムレツと白身の高級魚を焼いたもの、そしてライスでした。

 ライスは随分と甘く、柔らかく、お菓子のようで驚きました。

 魚はうまみ成分が出ていました。

 オムレツは異常なまでに口の中でとけるようでした。


 メアリはこの食事に対して、驚きをもちました。


 パネルは、そんなメアリを見て、随分とちょろい奴だと思いました。


「どこか、行きたいところはあるか?」


 食事を終え、ナプキンで口を拭きながら、パネルはメアリは言いました。


「雑貨屋に行きたい」


「ほら、お小遣いだ。好きに使いなさい」


 と言って、パネルは金貨を二枚渡しました。メアリは見たことのない大金でびっくりしました。

 この世界では、金貨一枚は銀貨千枚なのです。


 ルークとジュリアといた時には、見たことがありませんでした。


 メアリはその大金を使って、雑貨屋で豪遊した挙句、部屋に持ち込んで、保管しました。


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