表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/39

第21話 ジュリアに勇気を!②

「我こそは、魔王軍幹部『デストロイ』である! お前たちを皆殺しに来た。だがその前に、村の人口統計を教えてもらおう! 魔王様に報告しなければならないかな」


「魔王軍の幹部? どうしてここに」

 ルークが尋ねました。


「私は先遣隊にほかならない。魔王軍よりも前に進み、情報を収集して、ちょうどいい村があったら潰しているのだ」


「なるほど」


「戦うしかなさそうね」

 ジュリアが言いました。


 それと同時に、アントリミール族の戦士たちが一斉に矢を放ちました。


「ほう? ずいぶんと攻撃的だな」


 すると、デストロイは矢をつかみ、投げ返しました。すると、戦士の頭に直撃し、後ろに血を噴き出して倒れました。

 村の何人かが悲鳴を上げました。


 とっさにルークは切りかかりました。

 しかし、デストロイは素手でその刃を受け止めると、ルークごと投げ飛ばしました。


 そして、更に大きな炎の球を投げつけてきました。


 後ろを振り返ると、木々が焼け落ち、真っ黒になって倒れました。


「これが、魔王軍幹部!」

 ルークが恐怖に足をくすみました。


 ジュリアが負けじと炎を放ちます。直撃です。

 しかし、デストロイは傷一つなく現れたのでした。


 ルークが、何度どれだけ剣を振りかざしても、デストロイに当たらないのです。


 アントリミール族の戦士たちが応援に入っても、足手まといになるだけでした。


「どうなっているんだ」


 攻防が続きます。しかし、攻撃が当たらない効かない以上、ルークたちはじわりじわりと押し込まれていきました。


 デストロイは吹き飛ばしたジュリアを見て、嗤いました。


「人間なんて、モンスターにかなわないんだから、大人しくしとけ」


 ジュリアはむっとして、飛び掛かりました。


 そして、ジュリアはその魔人『デストロイ』の両肩をつかむと、魔力を注入し始めました。

「その程度の魔法は、効かない」


 しかし、突如として二人は光始めたのです。


「な……」


 デストロイは、初めて一歩下がりました。


 魔力と反魔力の究極形態『シンギュラリティ』の発現です。


 その強力すぎる光を見たとき、ルークは、ジュリアがこのまま進むと死ぬ、と確信しました。


「ジュリア!? そんな奴のために死ぬ必要はない! 戻ってこい!」


「癪なの。こんな奴に負けたなんてね!」

 ジュリアが言いました。


「ねえ、ルーク! あんたが証人になって! 私がこいつに命を賭してでも勝ったって!

私は勝利した!!」


 ジュリアはやり切ったような笑みを浮かべて、ルークを見ました。


 それがあまりにも、納得している顔だったもので、ルークは何も言えず、涙がこぼれてきました。


 どうしてジュリアがそんな顔ができたのか理解できませんでした。


 ジュリアが出力を上げます。


「ぎゃあああああああああああああああああ」


 デストロイが悲鳴を上げ、光はますます大きくなっていきます。


 そして、二人は消滅してしまいました。

 髪の毛一本も残さず。




 その光の柱は彼方まで届きました。


 それを見ていた人がいます。

 「『シンギュラリティ』だ……。預言書に書かれた勇者、実在していたのか」


 デストロイの動向を把握し、アントリミール族の村に向かっていた騎士団長たちです。


「何が起こっているんでしょう」

 部下が恐る恐る聞きます。


「分からない。ただ、あそこに預言者に書かれた勇者がいることは間違いない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ