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思い違いの眼差し

 次の日の朝、ノエルが通う学校の屋上でまた一人のんびりと朝ご飯を食べていた。楽しそうに会話をしながら登校する生徒達をボーッと見ながら食べていると、ノエルの背後からはぁ。とため息をつく声が聞こえた

「ノエルは本当にここが好きだね」

「うん、ここは風がよく通るから」

 昨日話していた女の子とは違うノエルの友達のナツが隣に来て一緒に生徒達を見ていると、ノエルがご飯を食べながら友達と一緒に歩く昨日話した女の子を見つけ、ナツに気づかせるためにその子の方に指差した

「魔力が無くなっても気にしないんだ……」

「元々あまり得意じゃなかったらしいから、むしろ魔術のテストが無くなってくれて助かってるのかも」

「あー、そうなのかもね」

 ニコニコといつも以上に笑顔な女の子とノエルの話にナツが苦笑いで頷く。その後は二人の会話は特に無く、ノエルは美味しそうに朝ご飯を食べ、ナツはボーッと登校する生徒達を見つめる。しばらくすると、ご飯を食べ終えたノエルが鞄から飲み物を取り出した

「ところで、ノエルはこんな所にいていいの?」

「いいの、いいの。どうせね」

 ナツの質問にグイッと飲み物を飲んで答えると、鞄から今度はおやつのお菓子を取り出し食べはじめた

「なに?これはあげないよ」

 ナツの視線を感じ、持っていたお菓子を隠しながら言うと、ナツが数回首を横に振り、少しノエルに近づいた


「ねえねえ、アオイってどんな人?」

 と、食いぎみに聞いてきたナツにノエルがはぁ。と一つため息をつきながら、お菓子を一つ食べた

「ノエルしか会ったことがない人物に全てを変えたなんて、私はまだ信じられないよ」

「そうだね、私もまだ信じられないもん」

「じゃあやっぱり……」

「でも、あの日から月はいつもより眩しく見えるから、きっと嘘なんかじゃないんだよ」

 そう返事をすると食べきったお菓子の袋がふわりと風に舞いノエルの手から離れた

「先に行くよ」

「ちょっとまって、私も……」

 お菓子の袋を取るため、鞄を急いで取り屋上からふわりと飛び降りたノエルをナツも追いかけように飛び降りた。二人がゆっくりと屋上から降りて、地面に着いた時、ノエルがご飯を食べていた屋上に、一人の少女がお菓子の袋を取るノエルを見て呟いた

「あの人なんだ。やっと見つけた……」

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