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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

幻想郷の桜

久々の投稿です。

よろしくお願いします。

旧王都「幻想郷」にて反乱がおきた。

今から2000年前幻想郷という楽園のような国があった。

安定をもたらす龍が2体空を飛び、地を震わせており、世界を優しく包み込むような暖かい世界。

男や女の差別なんてない平等な世界。自分らしく自由に生きられる世界。

そんな国が幻想郷だった。



しかし、そんな安泰に、今から200年前に悲劇が起きた。

幻想郷とは、空高く雲を突き抜けた崖の上にそびえ立つ幻のような国、戦争のような野蛮なことが絶対におきることのない和やかな国。

しかし安定をもたらす龍の1体がいつもとは様子が違った。ものすごく暴れ、幻想郷の本殿、離宮といった、大事なところを破壊し尽くし、人々が緩やかにすごす郊外にまででてきて、建物を壊し、火を吐き燃やした。

そして、幻想郷は崖ごと下界に落ちた。

人の半数は下界に落ちると同時にほぼ死に絶えた。



という語り部の話を聞いている僕。

僕らは、その「幻想郷」の子孫である。昔は2万から3万もの人がいたと聞いたけど今は20から30人ほどの少数民族で、戦の知識も大してないから凸凹の酷い荒野のハズレに柵を少し巡らせた小さな土地で暮らしている。

でもそこで米や麦がとれるわけじゃない。木の実があるとか魚が取れるとかじゃない。たまに敵陣を襲撃してやっととれた、葛を食べて生活してる。

とても惨めで、ここからあとどれくらい生きれるかもわからない。。

幻想郷の住民には、力こそないけど下界の人間の倍を生きれたらしい。でも今僕らは下界に落ちたせいでその力すら失われている。

なんとか、幻想郷に戻るには、幻想郷の中心にあったとされる長老樹の「桜」を見つけなければならないらしい。

でもその桜がどこにあるか分からないから、この200年世代が変わりながらも右往左往している。



翌年

僕は15歳になった。15歳になったら敵陣に侵入し戦をしなければならない。もちろん剣や弓なんてない。石を石で尖らせた武器だけ。相手は弓も青銅の剣も持っている。

この侵入は生きるための戦争である。食べ物の確保、住んでいる土地の確保のため。

そして早朝、10名の戦士の1人として戦地へ赴いた。

尖った石を片手に敵陣まで歩き、忍び足で敵本営をつついた。

見事に命中したと思われたが、倒せたのは10人。そりゃ尖った石だから範囲攻撃なんて出来やしない。相手は100人を超える部族。

気づかないうちに相手の弓兵50人が弓を構えていた。完全に滅多打ちにされたのだ。

生きてその日帰れたのはリーダーと僕と同い年の女の子の1人。他は僕らを逃がすために死んでいった。。

でもよくある事だ。

尖った石で刺した時に急いで倒した相手の近くにあった、木の実や葛を取って逃げたから戦利品を取れて幸いだった。

今日もそれをみんなとわけて食べた。

戦争は男だけっていう決まりは別にない。幻想郷の頃から変わらない平等。14歳より下の子が今6人いる。だから今残り9人。

明日は婚礼の儀。僕と同い年の女の子が婚礼を行う。

翌朝、婚礼が行われた。とても粗末で簡単なものだができる限りの盛大なものが行われた。

幻想郷の頃から婚礼をしないと子を作ることが許されなかったので、これでまたこの国を守る子孫を作ることができた。


翌朝にはまた戦地へ赴くが僕の奥さんになった女の子は、子を絶対産むために残ることになった。

リーダーと僕だけで一昨日の戦地に赴いた。

尖った石を複数持ち、塀の上を超えるようにして投げた。

唸り声が聞こえたところを一気に攻め込んだ。

しかし僕とリーダーは死んだ。


死んだ僕らは地獄に連れていかれるが、幻想郷の民はそこで選別されほとんどのものが天へ還る。

天へ還る時、今は亡き幻想郷が見えた。そこには灰と化した国があった。しかし大きな桜が神々しく輝いて咲いていた。生きてこの桜に出会うことが出来れば僕も幻想郷にいけたのかと思ったのはもう遅い。

天へ還ったら全ての記憶が無くなる。




しかし、僕の記憶が何故か消えていないし、見覚えのある荒野にいた。顔を振り回しみると見た事のある女の人がいた。

「坊や、喋ってみて」

そして僕は言葉を喋った。

そして女の人は笑顔になった。んん、この人、僕の奥さん!?


つまり僕は生まれ変わることが出来た。


そして僕が君の奥さんだということをペラペラ口に出した途端、ものすごい勢いで抱きしめてくれた。お互い泣いた。すぐ信じてくれた理由は僕の手には元々龍のようなアザがあった。そしてこの生まれ変わった僕にもそのアザがあったため奥さんは僕の生まれ変わりだと思っていたらしい。

そして感動の再会の上、現状を話してくれた。

今は年齢関係なく動ける子が食べ物を取りに戦地へ行かなきゃいけなくて奥さんは僕ともう1人の子の面倒を見るため残っているらしい。

他にもう4人いるらしく僕が生まれ変わる少し前に青銅の剣1つと弓2つを奪ったらしい。

今は尖った石を刺すのではなく投げ、持っている剣で斬ったり、弓で射ているらしい。そのため怪我が出ても死者はあまり出なくなったらしい。食べ物も木の実や葛ではなく、魚や肉を食べることも増えたと聞いて感動した。

そして数年後

僕ら今7人の幻想郷子孫は、この土地を捨て桜を求める旅に出た。

僕が天へ還る時にみた桜の位置がこの荒野の近くであることが分かったからだ。ただ天へ昇る方法が分からないのが難点である。

とりあえず近くにある大きな山を頂上まで登った。夜になっており、なんと斜め上方向に雲がすこし被さって見づらいが神々しく輝く桜が見えた。

恐らくもう少しで行けるが、どうしようもなかった。


そんな時僕があくびをして手を上へ伸ばした時、雲から出てきた月と共鳴した。光輝き僕は龍の姿に変わった。そしてみんな驚いてはいたが僕の背に乗り幻想郷へ向かった。


そして幻想郷の桜へついた。皆で桜の長老樹に手を触れた時、幻想郷全体が光で覆われた。



そして目を開けると語り部の言う安定したものすごい都市が目の前に広がっていた。しかし人は僕ら7人。いつの間にか僕は龍から人へ戻り龍のようなアザもなくなっていた。


それから1年が経ち。

僕ら7人がなんとか婚礼をし、子孫繁栄を祈り、また15年もの時が流れた。

今は20名ほどまで復活した。


僕らは苦労をしたぶん、学んだことを生かし幻想郷に最低限の護身するための武力を教えていくことにした。





だけど、戦争はしたくない。安定、安泰した世界。平等な世界。幻想的な世界。ひと目見るだけで、魅了させてくれる美しい世界。

それをただただ望んだ。



END


ありがとうございました。

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