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 居間兼寝床、押し入れやラックにかかっている服なども次々と収納していく。床をきれいに掃き拭きしたところで使うモノだけを取り出す。ベットはなく、低いテーブルと布団、テレビ台などを収納していくと、久しぶりにフローリングの床を掃除できた。部屋の隅にはこれでもかというぐらい埃がたまっていたし、お菓子のカスや髪の毛など、想像以上にたまっていた。使うものだけと考えて衣服なども最近着たモノだけを取り出すと、これまで必要だった服の収納ケースがほとんどいらなくなった。着てないのにどうして捨てたり、中古ショップに持っていかなったのか。自分が面倒で先回しにしてきたことの多さに驚くほどだった。


 世の中には断捨離や片づけ上手な主婦の本などがあふれているが、著者たちはもしかしてこの能力者だったりするのだろうか。モノを捨てる決断をする、実際に処分するわずらわしさは現代社会を生きる上でかなりの負荷だと思うが、この能力さえあればスラスラできるだろう。、、、そんなわけないか。この能力をこんなことにしか生かせそうもない自分の発想の貧困さにも気づく勝也。


 一通りの片づけを終え、久しぶりに使った急須でお茶を淹れて一息ついた後、左手に燃えるごみの袋を持ち、いったん収納したごみを順次出していき、いっぱいになったところで縛ったごみ袋をまた収納し直すという作業に取り掛かる。燃えるごみの日にいっぺんに出すわけにはいかない。近所の集積所はいつもいっぱいになる。出すとしても一回に二袋が限界。少しでも目立つわけにはいかない。


 1DKの部屋とはいえ、これまでの数年間にたまったモノはかなりの量であり、捨ててもいいと判断した燃えるごみだけでも15袋になった。次いでビン、缶、ペットボトル。段ボールまで。それらの作業が終わるころには画面上もかなりスッキリとしてきた。


 「このぐらいかな。」

 作業が終わり、部屋を見渡す。冷蔵庫や洗濯機などの家電、いつも使っている調理器具、食器。仕事用のスーツやカバンなど、今までの生活を送るのに必要なモノは出してある。それでも作業前とは比べ物にならないほどスッキリとした自分の部屋に大きな満足感を得ていた。


 収納したモノを画面でつらつらと見ていると、ふと実印や通帳をどうしようかと考える。そのほかにも思い出の詰まったアルバムや捨てるつもりのない思い出の詰まった小物たち。別に収納しておいて問題はない。だが、果たしてこの能力は続くのか。夢でないことはこの二日で確信しているが、この能力がいつ消えてもおかしくない。ていうかない方が当たり前なんだ。


 勝也はしばらく考えた後、印鑑や通帳、重要な書類やアルバムなど消えられては困るモノは押し入れの空いたスペースに出しておくことにした。この能力の今後がどうなるかしばらく見てからの方がいいだろう。慎重に考える姿勢を崩さずにいようとする2日目の勝也であった。



週一投稿予定です

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