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右手を床に近づけ、取り出す。スーパーで買った食材たちが袋に入ったまま、床に置かれた状態で出てきた。新しいスマホになれるように、この能力の使い方、一連の流れもスムーズにできるようになっていくだろう。食材を冷蔵庫に入れると、スーツを脱ぎ軽くシャワーを浴びに行った。
シャワーから出てきてジャージに着替えると、帰りの電車の中で思いついたことを実行してみることにした。いうなれば大掃除。昨日片づけをしようとしている時に、こんな能力が表れたからついつい忘れていたが部屋の片づけの途中であることを思い出したのだ。大掃除とこのアイテムボックス。なんとぴったしな組み合わせだろうか。勝也は箒と塵取り、雑巾を用意して絞っておく。わかりやすく玄関から。
靴棚の上にあるものを何も考えずに収納していく。なくなったら埃を拭いて靴棚も収納する。何も置かれていない玄関を掃き掃除してから靴棚を取り出す。中に入っている靴も個別に収納していくと、空っぽの靴棚になった。そこも雑巾で拭いていく。毎日使うようなものを一回一回収納するのも面倒なので、仕事で使う革靴に散歩用のスニーカーや突っ掛けのサンダルを取り出しておく。あとのモノは使うときに取り出せばいいだろう。
この能力がすごくいいのは、使わない=取り出さないとなり、今まで使わないけど捨てれなかったモノたちがアイテムボックスに放り込んでおけるという点だ。今のところこのアイテムボックスの容量の限界には行き着いていない。アイテムボックスに入れたまま、何か月も取り出さないモノは=要らないものとなり、捨てればいいのだ。
アイテムボックスに入れたまま削除なんて機能が会ったりしないか探したが、そういうのはなかった。服にしても電化製品にしても、捨てようと思ったら取り出して、ごみ袋や回収など普通の方法で処分せねばならない。なんでもかんでも収納しても、収納されたものを把握したり整理しようとすれば、結局処分の作業が必要になる。よくよく考えて収納せねばならない。
とはいえ、この部屋の掃除程度なら大丈夫だ。雑巾を使わずに埃も収納できるが、細かい塵がいくつかに分かれて収納されるだけになり、結局取り出すのも面倒になるので、拭いてしまっている。
玄関が使う靴だけになると、ずいぶんスッキリした。モノがなければ掃除は簡単。ここに引っ越してきた時に戻ったようだ。同じ要領で風呂場、トイレ、キッチンも掃除していく。そうしていくとよく使うと判断出来て取り出したものの少なさに気づく。自分はこれだけあれば生活できていたということか。普段どれだけ無駄なものに囲まれて暮らしていたか。つくづく身に染みていた。
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