4
画面が黒い物体に戻ったところで水道から水を飲むことができた。水を口に含み喉を通ったところで、自分が喉が渇いていたことに気づく。この状況で冷静なようで体はしっかりと反応していたようだ。そして少し熱っぽくもあった。布団に横たわりまた黒い物体を触ってみる。さきほどのように黒い画面が開く。最小化しては開くを何回かやってから、見慣れた設定マークがあることにも気づく。これを見れば少しはこの現象のことがわかるかも。勝也は設定マークを押してみた。
設定マークを押すと様々な項目があった。その中でも、認識の項目にある「音声」や「意識」のオンオフ、「取り出す」の項目にある「右手」「左手」「画面」などの選択肢など、自分で使いやすいように設定変更をできるようだ。そもそもこんな風に使いやすくできているのか、それとも自分に合わせてそういう機能にしてあるのか、、、。何もわからない上に答えのでない疑問が浮かんだが、自分が考えたところでわかるわけないかと深く考えずに機能の把握に集中していく。20代後半になってきて身についた良いことと言えば、こうやって無駄な思考にはまりそうなときに切り上げる慣れと諦めだった。
気づけば一時間程度経っていた。勝也は自分用に作られたのかと思うぐらいわかりやすい機能のおかげですんなりと使えるようになっていた。スマホやPCを新しくした時、最初は戸惑うが慣れればすんなり使えるようになるのと同じ感覚だ。
「もしかして、これみんな使えるようになった、、、?」
ある程度落ち着いてきた頃にふとそんな疑問が沸いた。これほど使いやすく、みんなが理解しやすい機能。現代日本人ならみんな使える。もしそんなことになってるのなら、もうネットは大騒ぎなはずだ。勝也は慌ててPCを開くとニュースサイトや動画サイト、SNSなどを開いてアイテムボックスや収納といったキーワードで検索していく。全員が騒がずに秘密にしているというのはあり得ない。ただどんなに検索をしても超能力を手に入れたなどの騒ぎは一向に見つからない。そこには普段と変わらないネット社会が広がっていた。英語圏ではどうかと思って翻訳サイトを使いながら英語検索もいくらかしてみたが、騒ぎになっている記事や映像は見つけられなかった。だいたい80億人ぐらいいる地球で自分だけってのはおかしい。ただ1億人に1人とか、1000万人に1人といった割合なら、騒ぎにせずに秘密にしておこうとするだろう。
つまり、ネットやメディアでニュースになることはしばらくはない。それこそ誰かがバレない限りは、、、。
すっかり時間が経ってしまった。明日は仕事だ。いきなり能力を手に入れただけで、金持ちになったわけではない。仕事は休めない。寝て起きたら消えてるなんてことはないよな。そんなことを考えながらシャワーを浴びていつも通り布団に入る。この能力を使って何をしようか。そんなことを考えようとしたが、頭はかなり疲れていたようだ。勝也はすんなりと眠りについていった。
週一投稿予定です




